ロート製薬とMicrosoft Dynamics 365による新たな業務基盤
1. 概要
ロート製薬株式会社は、医薬品やスキンケア製品を展開するグローバル企業であり、その経営基盤を進化させるため、2021年から「Microsoft Dynamics 365」(以下、Dynamics 365)の導入を決定しました。これは、株式会社日立ソリューションズの支援を受けており、同社はグローバル規模で展開するグループ会社30社の業務データを集約し可視化するための新しい業務基盤を構築しました。
2. 新たなERPシステムの仕組み
今回導入されたシステムは、二層構造のERPであり、既存の各社の業務プロセスを残しつつ、新たにTier2(第2層)としてDynamics 365を導入。この仕組みによって、個々の企業が持つ既存ERPの運用やデータを最大限に活かしながら、全体としてのデータ統合をスムーズに行います。特に、BI(ビジネスインテリジェンス)レポート基盤には「Fabric」を採用しており、異なるフォーマットのデータを自動的に加工・連携し、分析までのプロセスを一体化しています。
3. 業務効率の向上
この新システムによって、データ収集と分析に要する時間が従来の約2週間短縮される見込みです。特に、各グループ会社の情報が明確に可視化されることで、経営判断がより迅速に行えるようになります。これにより、経営のガバナンス強化やマスタコードの統一といった課題に対しても効果的にアプローチできます。
4. 今後の展開
ロート製薬は今後も、グループ全体の経営観点からさらなる業務効率化を図りつつ、最適化を進めていく予定です。現在の施策に続き、Tier1(第1層)のシステムを順次Dynamics 365へのリプレースを進める計画もあります。
5. 日立ソリューションズの役割
日立ソリューションズは、グローバル性を持つ多様な業種の知識を生かし、ロート製薬のビジネスニーズに応じたカスタマイズされたソリューションを提供しています。彼らのクラウド型ERP「Dynamics 365」は今後もデジタルトランスフォーメーションを加速させる役割を果たしていきます。
6. お客様の声
ロート製薬の基幹情報システム部長である森康充氏は、日立ソリューションズを「信頼できるパートナー」と評価し、密なコミュニケーションを通じてシステムのビジョンを共有できたと話しています。今後、他国のグループ会社へのロールアウトに対しても期待が寄せられています。
7. 総括
ロート製薬がMicrosoft Dynamics 365を導入することで、今後のグローバル展開における業務基盤が一新されることが期待されます。この新しいシステムは、企業の持続的な成長を支える重要な要素となるでしょう。グローバルな情報管理と業務プロセスの最適化を進めるロート製薬の今後に、目が離せません。