江沼九谷の流れ~加賀九谷「赤」の系譜~
加賀温泉郷にある九谷焼窯跡展示館では、江沼九谷の流れを辿る特別展「赤の系譜」が開催中です。この展覧会は、九谷焼の伝統とその中でも特に重要な赤色に焦点を当てています。九谷焼は「古九谷」として知られる創世期から始まり、その中には五彩とも呼ばれる独自の色合いが存在します。
九谷五彩の特性
九谷焼の五彩は、黄、緑、紫、紺青、そして赤の5色です。これらの色はそれぞれ特徴が異なり、赤色だけが他の色と製法が異なります。具体的には、他の4色が厚く盛り上げることで鮮やかさを出すのに対し、赤色はその素材の特性から、盛り上げる必要がないため、より自由な運筆や繊細な描写が可能とされています。この特性は、歴史的に見ると先人たちがすでに理解していたことであり、興味深い点です。
赤絵細描の成り立ち
赤の特性を最大限に引き出すためには、特定の技術が必要でした。それが幕末の「宮本屋窯」で活躍した飯田屋八郎右衛門の技術です。彼は細い線を描くことに長け、その技術は赤絵細描という様式の完成に寄与しました。この技術は、中国の方氏墨譜を基にしたデザインが影響を与え、さらにその後、永楽家十二代和全による金襴手技法が加わり、強力な伝統の一部となりました。
現代の加賀九谷
近代に活躍した作家たち、特に竹内吟秋と浅井一毫兄弟は、赤の系譜を現在に生かしており、初代中村秋塘を中心とした一門にもその技術が受け継がれています。今日の加賀九谷には、この流れを汲む新たな作家たちが活躍し、多彩な作品を生み出しています。彼らの作品には、古代より「命」を象徴する色である赤が使われており、器に命を吹き込む努力が伺えます。
この展覧会「江沼九谷の流れ〜加賀九谷赤の系譜〜」では、再興九谷や江沼諸窯の素晴らしい作品も展示されています。美術愛好家や観光客は、この貴重な機会にぜひ足を運んで、歴史の深い九谷焼の魅力とその現代の姿を体感してください。
展覧会の詳細
- - 開催期間: 2026年1月21日(水)~7月6日(月)
- - 開館時間: 9:00~17:00(最終入館16:30)
- - 会場: 九谷焼窯跡展示館(石川県加賀市山代温泉19-101番地9)
- - 入館料: 一般350円、75歳以上170円、団体290円、高校生以下無料
- - 休館日: 火曜日(祝日は開館)、年末年始の休館あり
公式サイトや詳細情報は、九谷焼窯跡展示館のホームページをご覧ください。九谷焼の深い歴史と文化を感じに、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。