三菱総合研究所とGGGI、中東・ASEAN諸国のグリーン成長を支援
三菱総合研究所(MRI)が、Global Green Growth Institute(GGGI)と連携協定を締結し、中東の湾岸協力会議(GCC)諸国と東南アジア諸国連合(ASEAN)における持続可能な開発に向けた取り組みを強化すると発表しました。この協定は、両機関の強みを活かし、気候変動対策、グリーン経済への移行、持続可能な開発目標(SDGs)の達成を目指した取り組みを推進するものです。
パリ協定とグローバルサウスのグリーン化
地球温暖化対策の国際的な枠組みであるパリ協定では、世界の平均気温上昇を産業革命以前に比べて2℃より十分低く保つ、1.5℃に抑える努力を追求することが謳われています。この目標達成のためには、先進国だけでなく、経済発展著しいASEAN諸国や、化石燃料の主要産出国であるGCC諸国のグリーン化が不可欠です。
MRIは、ドバイとハノイに拠点を設立し、GCCとASEANにおける気候変動対策の政策立案支援や関連プロジェクトの組成を推進してきました。過去の取り組みとして、カタール政府とのカーボンクレジット検討、ASEAN Centre for Energyとの共同研究によるカーボンプライシングの影響分析などが挙げられます。これらの経験と実績が今回の連携協定に繋がっています。
MRIとGGGIの連携内容
今回の連携では、シンクタンクであるMRIと国際機関であるGGGIがそれぞれの知見を共有し、以下の取り組みを実施します。
気候変動政策の立案支援: 各国の政策決定者を支援し、効果的な気候変動対策を策定します。
民間企業の気候ファイナンスへのアクセス促進: 企業がグリーン投資を容易に行えるよう、資金調達支援を行います。
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技術導入と人材育成: 最新技術の導入支援と、グリーン経済を担う人材育成を支援します。
カタールでの取り組み開始と今後の展望
まず、カタール政府の気候変動対策を支援するプロジェクトから開始し、今後GCCおよびASEAN各国への展開を目指します。この連携によって、中東・ASEAN地域における持続可能な経済成長と気候変動対策の両立に貢献すると期待されています。
まとめ
MRIとGGGIによる連携は、気候変動問題への取り組みにおいて重要な一歩となります。両機関の協力により、GCCおよびASEAN諸国がグリーン経済への移行を加速させ、持続可能な社会を実現できるよう期待されています。この取り組みは、世界全体の脱炭素化に向けた努力にも大きく貢献するでしょう。今後、具体的なプロジェクトの進捗状況や成果に注目が集まります。