商船三井の新技術
2024-07-30 17:46:46

商船三井が「Wayfinder」で燃費改善へ、航運業界に革命の兆し

商船三井、最適運航支援ツール「Wayfinder」を導入



株式会社商船三井(以下、商船三井)は、燃費効率を向上させ、温室効果ガス(GHG)削減を目指す新たな取り組みを発表しました。これには、米国のSofar Ocean社が提供する最適運航支援ツール「Wayfinder」を当社グループ運航船に順次導入することが含まれています。

Wayfinderの登場


Wayfinderは、リアルタイムで海洋観測ブイの情報を利用し、気海象予測、船の燃費性能、航行制限がある海域の情報を集約します。このツールは、安全かつ効率的な運航を実現するために重要な役割を果たし、毎日各船および陸上の運航担当者に最適なエンジン回転数や航路を提供します。

最適航路表示イメージ

海洋観測ブイ「Spotter Buoy」は、波高や潮流などの海洋データをリアルタイムで集めることができ、このデータは各国の政府機関でも利用されています。特筆すべきは、受信した海洋データと衛星からの天候データを組み合わせることによって、従来の衛星データのみを使用する手法よりも、波高を含む気海象予測において約50%の精度向上を達成している点です。

このような気象予測の精度は、商船三井にとって特に重要です。なぜなら、船舶の運航効率において波の影響が非常に大きいからです。これにより、Sofar Ocean社の技術は商船三井の運航における新たな基準を提供することが期待されています。

運航船のトライアル実績


商船三井では、グループ運航船40隻を利用したトライアルにおいて、1航海平均で約6%の燃料削減とGHG排出の低減が確認されました。さらに、トライアルに参加した80%を超える船長からは、Wayfinderの利便性と気海象予測の精度について高い評価が寄せられています。これらの成果を受け、商船三井は本ツールの本格導入を決定しました。

環境ビジョンの実現に向けて


商船三井は、「商船三井グループ 環境ビジョン2.2」に則り、2050年までにネットゼロ・エミッションを達成することを目指しています。また、2035年までに輸送におけるGHG排出原単位を2019年比で45%削減するという具体的な目標を掲げています。Wayfinderの導入は、この目標を実現するための重要なステップとなるでしょう。

今後はグループ全体での導入隻数を増やす方針であり、さらに陸上・海上のデジタル・トランスフォーメーションを進め、リアルタイムな情報共有を実現することも視野に入れています。これにより、効率的で環境に優しい運航がより多くの船舶で実現されることが期待されます。

商船三井の今回の取り組みは、航運業界における新たな先進技術の導入として注目されており、業界全体に波及効果をもたらす可能性があります。今後の進展が非常に楽しみです。


画像1

画像2

会社情報

会社名
株式会社商船三井
住所
東京都港区虎ノ門2-1-1 商船三井ビル
電話番号

関連リンク

サードペディア百科事典: 東京都 港区 商船三井 Wayfinder Sofar Ocean

Wiki3: 東京都 港区 商船三井 Wayfinder Sofar Ocean

トピックス(地域情報)

【記事の利用について】

タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。

【リンクついて】

リンクフリーです。