アジア企業の海外進出の現状
ポストコロナの影響で、アジア企業の多くが海外進出を模索しています。ウェーバー・シャンドウィックの調査によると、アジアに本社を持つ218名の経営者は、新たな市場に進出する意欲を強く持っていますが、その目的や課題は国や企業によって多様であることが分かりました。
調査が行われたのは2022年9月14日から29日までの期間。結果としてアジア企業が海外進出において最も重視しているのは「収益の拡大」ですが、地政学的なリスクや世界経済の停滞が影を落としています。特に、企業の多くが感じているのは、海外での評判が国内と比べて劣っているということです。調査では、「自社の海外での評判は好ましくない」と考える回答者が多数を占めています。
最大の課題:サイバーセキュリティ
海外進出に関する最大の課題として挙がったのは「サイバーセキュリティ」です。最近のデジタル化の進展に伴い、企業はサイバー攻撃のリスクにさらされており、これが特に大きな懸念材料となっています。また、現地の法律や規制の遵守、現地の文化理解、需要把握、サプライチェーン問題など、様々な課題が山積しているのが現状です。
国ごとの違い
日本では約半数が「海外市場での売上高と利益率」が非常に重要であると答えていますが、韓国の回答者の多くは、国内需要の減少に対して海外での事業拡大の重要性をあまり感じていないようです。特に韓国では、自己完結型の戦略が多く見られることから、海外への依存度が低いことが影響しているかもしれません。
エクスパートの意見
調査を実施したウェーバー・シャンドウィックのアジア太平洋地域エグゼクティブ・バイス・プレジデントのケン・ホン氏は、「ポストコロナ時代において、アジア企業が新たな機会をどう活かすかを理解するためにこの調査を実施した」と述べています。現地の制約がある中でも、多くの企業が新市場への挑戦を視野に入れていることが垣間見えます。
外部コンサルタントの活用
調査結果では、外部コンサルタントの利用状況も浮き彫りになりました。多くのアジア企業が新規市場進出に際して、専門的な知識や経験を活かすために外部の助けを借りていることが分かりました。約90%の回答者がコンサルタントを利用しており、主な用途は企業の評判管理や法律遵守に関するものです。
結論
グローバル展開を目指すアジア企業にとって、競争の激化と多様な課題は避けられない現実です。しかし、これらの挑戦を乗り越えることで、より豊かなビジネスチャンスが生まれる可能性も秘めています。今後の展開に注目が集まります。
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