アフリカ電力セクターの変革に挑む:Beacon Power Servicesへの投資
アフリカ大陸では、発電能力の不足に加え、送電・配電におけるロスが深刻な問題となっています。年間約7500億円もの損失が発生していると言われるこの現状に対し、画期的なソリューションを提供する企業があります。それが、ガーナとナイジェリアに拠点を置くBeacon Power Services(BPS)です。
BPSは、データソリューションとグリッド管理ソフトウェアを用いて、アフリカ特有の電力インフラ課題に対応しています。電力会社はBPSのシステムによって、電力網を効率的に管理し、安定した電力供給を実現できるようになります。
ガーナでの成功事例:500万人への安定供給と収益倍増
BPSの技術は既にガーナで大きな成果を上げています。同国国営のガーナ電力公社(ECG)の業務を完全にデジタル化することに成功し、500万人以上の顧客へ安定した電力を供給する基盤を構築しました。その結果、わずか2年でECGの収益を倍増させるという驚異的な成果を達成しています。
急成長を続けるBPS:グローバルな展開
2022年のシードラウンド以降、BPSは急速に成長を続け、現在ではナイジェリア、ケニア、ザンビア、そしてアメリカにまで事業を拡大しています。従業員数も200名を超えるまでに増加しました。この急成長は、BPSのソリューションに対する高い市場ニーズと、その高い技術力を示すものです。
日揮みらい投資事業有限組合による出資:更なる成長への期待
このBPSに、グローバル・ブレイン株式会社が運営する日揮みらい投資事業有限責任組合(JGC MIRAI Innovation Fund)が出資を行いました。グローバル・ブレインは、アフリカ電力セクターのデジタル化市場の成長性と、BPSの優れた経営チームを高く評価し、今回の出資を決めたと発表しています。
今回の出資によって、BPSはさらなる事業拡大、技術開発、そして人材育成を加速させることが期待されます。グローバル・ブレインと日揮グループの連携により、BPSはアフリカの電力問題解決に大きく貢献すると考えられます。
BPSの概要
所在地:ガーナ、ナイジェリア
代表者:Bimbola Adisa
URL:https://beaconpowerservices.com/
JGC MIRAI Innovation Fundの概要
登記上の名称:日揮みらい投資事業有限責任組合
無限責任組合員:グローバル・ブレイン株式会社
運用総額:50億円
運用期間:10年間
有限責任組合員:日揮ホールディングス株式会社、日揮株式会社
投資対象:安全・安心で持続可能な社会システムに関連したスタートアップ企業/日揮グループとの協業が見込めるスタートアップ企業
グローバル・ブレインの概要
会社名:グローバル・ブレイン株式会社
所在地:東京都渋谷区渋谷二丁目17番1号
代表者:代表取締役社長 百合本 安彦
設立日:1998年1月
事業内容:ベンチャーキャピタル事業
* URL:https://globalbrains.com/
この投資は、単なる経済活動にとどまりません。アフリカの人々の生活向上、持続可能な社会の発展に大きく貢献する取り組みと言えるでしょう。今後のBPSの活躍に、大きな期待が寄せられています。