保険会社の投資ポートフォリオの外部委託が進行する背景とは

保険会社の投資ポートフォリオの外部委託が進行する背景とは



最近のナティクシス・インベストメント・マネージャーズによるグローバル調査は、保険業界が直面している市場の複雑化と、オルタナティブ投資への移行を明らかにしました。対象とした200人の最高投資責任者(CIO)および運用担当者の74%が、低利回り環境の中でアルファの創出と資本コストのバランスを取ることに苦労していると回答しました。

投資環境の変化



近年の金融危機以降、投資家は持続的な低金利環境に影響を受けており、保険会社は負債に見合った債券リターンを得られない状況にあります。調査によると、66%がポートフォリオのリスクを分散させるため、プライベート・デッドや実物資産などのオルタナティブ資産への投資が不可欠と考えています。しかし、投資を始める際には高い障壁があり、97%が高リスクの非流動資産への投資が規制によって妨げられていると指摘しています。

規制と投資の障壁



保険業界は、ソルベンシーIIなどの財務規制により、新たな資産クラスへの投資が制約されています。調査の結果、89%の運用担当者がこれらの規制によって投資の選択肢が狭まっていると答えています。この点は、2015年の調査に比べても大きな増加です。規制に対応する際に直面する課題は、コストや、技術面での対応のほか、資本要件やデータ管理に関するものが多く挙げられています。

外部委託のトレンド



78%の保険会社がポートフォリオを外部に委託する能力を求めています。特に、外部の専門知識を活用することは、複雑化する市場環境に対応するための常道となっています。調査結果では、72%の回答者がポートフォリオの一部を外部に委託しており、10%は全体を委託しています。平均して、保険会社はポートフォリオの約48%を外部に委託していることになります。

専門家の役割



運用担当者が外部CIOや運用会社を利用する主な理由は、専門的な知識と能力のアクセスであり、より高い投資リターンを求めていることも大きな要因です。ナティクシス・インベストメント・マネージャーズの北アジア代表、加藤欣司氏は「保険会社は低利回り環境の中で収益を求め、流動性リスクを取る必要がある」と述べています。

結論



保険会社は、現在の複雑な投資環境で持続可能なリターンを得るために、より積極的に外部資源に依存する傾向が強まっています。自社内のリソースだけでは対応できない課題が多く、外部に専門的な知見を求めることで、より良い投資成果を期待しています。

このようにして保険会社は、将来のリターンを見据えた柔軟な投資戦略を模索し続けることでしょう。

会社情報

会社名
ナティクシス・インベストメント・マネージャーズ株式会社
住所
東京都港区六本木1-4-5アークヒルズ サウスタワー8階
電話番号
03-6635-4020

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