コロナ終息後の人事戦略と新たな働き方
新型コロナウイルス感染症の影響は、人事制度や働き方に大きな変化をもたらし、今後の企業活動にも多大な影響を及ぼすことが予想されます。特に、テレワークの普及やキャリア志向の変化は、多くの企業が直面している重要な課題です。2021年に『日本の人事部』が実施した調査の結果をもとに、これらのトピックについて詳しく見ていきます。
1. 人事のキャリア目標
調査によると、約半数の人事担当者が、キャリア目標に経営に関わるポジションを掲げています。具体的には、「人事担当役員(CHRO)」を目指すと回答したのが36.1%、「経営者」を目指すとのことであったのが19.9%を占めました。これは人事部門が経営戦略に積極的に関わる姿勢が強まっていることを示しています。経営と人事のシナジー効果が求められる中で、各企業が新たな人材の育成に力を入れる必要があります。
2. コロナ禍の採用活動
コロナ禍における採用活動については、7割の企業が前向きな評価を下しています。「想定通りの採用活動ができた」とする企業が45.5%、また「想定以上の採用活動ができた」という企業も22.4%にのぼりました。一方で、約2割の企業は対応に追われ、想定通りの採用が困難だったとのことです。これらの結果から、企業は柔軟な対応力が求められる時代に突入していることがわかります。
3. テレワークの推奨
コロナ終息後も、約56.5%の企業がテレワーク制度を継続して利用を推奨しています。これは多くの企業が、新しい働き方としてテレワークを定着させつつあることを示唆します。また、28.3%の企業はテレワークを継続する意向があるものの、利用条件を厳しくする考えも持っています。これにより、引き続き柔軟な働き方が実現される一方で、業務効率や社員の生産性も重視されることになりそうです。
4. SDGsへの取り組み
今、企業が取り組むべき課題の一つとして、SDGs(持続可能な開発目標)があります。調査によると、企業の約4割が採用活動におけるSDGsの効果を期待していると回答しました。その理由としては、ブランディング効果やステークホルダーからの評価向上、人材採用につながるという意見が多数を占めました。企業の社会的責任がこれからのビジネスにおいて重要な要素となるでしょう。
まとめ
今回の調査結果からは、コロナ終息後の新たな働き方や人事評価制度の重要性が浮き彫りになりました。テレワークの推進やキャリアについての新たな視点は、企業にとって積極的に取り組むべき課題です。また、SDGsに対する関心の高まりも見逃せません。今後の人事戦略には、これらの要素が大きく影響することが考えられます。企業がこれらのトレンドにどう応えていくのかが、今後の成功の鍵となるでしょう。
詳細な調査結果やアプローチについては、
日本の人事部の公式サイトをご覧ください。