バーチャルアバターの影響
2025-03-13 13:25:57

バーチャル空間でのアバターが会議に与える影響とは?

バーチャル空間でのアバターが会議に与える影響とは?



この度、TIS株式会社と東京都市大学、岡山理科大学、工学院大学の共同研究により、バーチャル空間でのアバターの外見がアイデア出し会議に与える影響が明らかになりました。研究は、アバターが参加者の外見と類似しているか否かにより、会議の進行や参加者の反応がどう変化するのかを検証しています。

研究の背景と目的



アイデア出し会議は、様々な視点を持った参加者が集い、バランス良く意見を交わすことが求められます。しかし、社会的な地位や年齢によって発言を控えたり、自分とは異なる意見を受け入れない傾向があることが課題とされています。外見を通じて生じる先入観や固定観念が、このような不平等な参加を助長する要因となる可能性があります。加えて、会議におけるアバターが持つ社会的手がかりが、参加者の発言や態度にどのように影響するかを探ることが、この研究の主な目的です。

実験概要



研究では、性別や年齢が異なる4人1組のグループ計16グループ、合計64名の参加者を対象に、アバターの外見を2つのタイプに分けて実験を行いました。一つは、参加者の外見と類似したアバター、もう一つは外見が異なるが同一デザインのアバターです。これにより、アバターの外見がコミュニケーションに与える影響を測定しました。具体的には、参加者がアイデアを出し合い、意見をまとめる過程において、発言の量や内容、さらには参加者間の反応を比較しました。

研究の成果



結果として、外見的手がかりがないアバターを使用した場合、参加者間の発言のバランスが良く、発言回数に差が見られないことが分かりました。つまり、アバターの外見が異なることで、参加者はより自由に意見を述べることができたのです。また、ポジティブなリアクションや肯定的な発言も増加し、会議の雰囲気も開かれたものとなることが示されました。

この結果は、バーチャル空間における会議が持つ新たな可能性を示唆しています。特に、リモートワークが普及する現代において、VR環境でのコミュニケーション手法としての重要性を強調できるでしょう。多様性に富んだ参加者間でも、固定観念を超えたコミュニケーションが促進され、より創造的なアイデアが生まれる環境が整うことが期待されます。

今後の展望



企業が抱える課題、特にリモートワークやダイバーシティ&インクルージョンに関連する問題において、今回の研究結果は有用な知見として活かされるでしょう。具体的には、メタバースやXR技術を通じて、実際のビジネスシーンにおける活用が見込まれます。今後は、アバターが持つ外見的要素の調整により、会議の効率や満足度を高める製品やサービスの開発が期待されています。

研究チーム



本研究は、TIS株式会社を代表とする研究者と、東京都市大学、岡山理科大学、工学院大学の教員が共同で行ったものです。それぞれの専門性を活かし、多角的な視点でバーチャルコミュニケーションの未来を模索しています。

この研究成果は、情報処理学会の論文誌に掲載され、特選論文にも選定される栄誉を受けました。今後もバーチャル空間における新たなコミュニケーション手法の研究が進められることを期待したいです。


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会社情報

会社名
TIS株式会社
住所
東京都新宿区西新宿8-17-1住友不動産新宿グランドタワー
電話番号
050-1702-4071

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