2025年の中途採用・転職活動に関する調査結果
株式会社マイナビが発表した「マイナビ 中途採用・転職活動の定点調査(2025年1-3月)」の結果が注目を集めています。本調査は、全国の企業や個人を対象に実施され、現在の中途採用率や転職活動に関する傾向、そして長期休暇後のモチベーション変化などが明らかになりました。
中途採用の現状
2025年1-3月の中途採用実施率は平均39.2%であり、前回の調査結果からわずかに減少しています。具体的には、2025年3月には41.7%という数字が示されており、結果的に2024年の10-12月に比べ1.7ポイントの減少が見られます。このような動向は、企業の採用意欲がやや低下していることを示唆しているのかもしれません。
個人の転職活動状況
個人の転職活動実施率は3.5%という数字が示されていますが、これは前の四半期(2024年10-12月)に比べ0.1ポイントの増加となっています。これにより、少しずつではありますが、転職を考える人が増えている可能性が伺えます。
ゴールデンウィーク後のモチベーション変化
興味深いのは、ゴールデンウィーク後に仕事のモチベーションが下がると回答した人が58.8%にも上るという点です。特に20代の若年層では73.5%がモチベーション低下を感じると答えており、長期休暇中に自分の疲労感に気づくことが主な原因とされています。それでも、回答者の約60%が「モチベーションは戻る」と信じているため、回復の兆しもあると言えるでしょう。
五月病の影響と転職理由
特に注目すべきなのは、「五月病」と呼ばれる心身の不調を経験したことがある正社員が、全体の37.0%に上るという結果です。特に20代においては約半数が経験しているとのことです。転職を考えている人の中で、過去に五月病が原因で転職を決意した割合はおよそ20%、これは社会人にとって無視できない問題と言えるでしょう。
この調査では、転職理由として「人間関係」が最も多いという結果も示されています。特に、環境の変化や、人間関係のストレスが五月病と連動して、転職を決意する一因となっているのではないかと言われています。
企業側の対策
五月病による退職を防ぐために、企業の51.5%が何らかの対策を講じているとの結果も出ています。具体的には、面談や懇親会などのコミュニケーション不足を解消するための取り組みが目立ちます。企業は、長期休暇明けの社員の精神的負担を軽減するためにも、柔軟な業務進行を心掛ける必要があるでしょう。
まとめ
以上のように、2025年の中途採用・転職活動に関する調査結果は、転職市場の現状や、五月病の影響が浮き彫りになる内容でした。企業は今後も従業員のメンタルヘルスに目を向け、定期的なコミュニケーションを行うことで、円滑な職場環境を維持することが求められます。