新型コロナウイルスの増殖抑制に向けた「L.ラクティス プラズマ」の研究成果
キリンホールディングス株式会社と国立感染症研究所は、共同研究を通じて「Lactobacillus rhamnosusGG(LGG乳酸菌)」との比較を行った。実験の主な目的は、経鼻接種による新型コロナウイルスやインフルエンザウイルスの増殖抑制に関するメカニズムを明らかにすることだ。この研究の成果は、2025年に開催予定の学術会議で発表される予定であり、医療分野への重要な寄与が期待されている。
研究の背景と目的
新型コロナウイルスのパンデミックを受け、多くの研究機関が感染症対策に取り組んでいる。キリンは2021年に国立感染症研究所と共同で「L.ラクティス プラズマ」を対象に研究を開始し、この乳酸菌が自然免疫系を活性化する可能性に注目している。その結果、免疫応答を高めることでウイルスの増殖を抑制できる可能性が示唆されている。最近の実験でも、「L.ラクティス プラズマ」が経鼻で接種された場合、鼻の組織において抗ウイルス遺伝子の発現が促進されることが確認された。
具体的な研究成果
今回の研究では、特に以下の三つの成果が得られた。まず、経鼻接種を行った「L.ラクティス プラズマ」群は、LGG乳酸菌接種群と比較して、6時間後に鼻組織における形質細胞様樹状細胞(pDC)の活性化が確認され、免疫細胞の割合が増加した。これは、ウイルスに対する初期防御反応が強化されたことを示す。次に、抗ウイルス遺伝子の発現も増強され、新型コロナウイルスに対する防御能力が向上したことが示された。
さらに、実験の結果、「L.ラクティス プラズマ」群が新型コロナウイルスの増殖を抑制したことも確認されている。この発見は、呼吸器ウイルス感染症に対する新たな防御手段が実現可能であることを示唆している。特に、pDCを介した免疫応答がウイルスの増殖を抑える主なメカニズムとして考えられている。
未来への期待
キリンはこの研究を通じて、世界中の人々の健康に貢献することを目指している。自然免疫を誘導するワクチンの開発は、感染症の防御において重要な役割を果たす可能性があり続けている。今後も「L.ラクティス プラズマ」による多様な研究が進められ、さらなる臨床実験によって実用化が目指される。
結論
新型コロナウイルスとインフルエンザウイルスに対する「L.ラクティス プラズマ」の効果は、今後のワクチン開発において重要な知見を提供するであろう。キリンの研究結果は、自然免疫を誘導する新しいタイプのワクチンの実用化を後押しすることが期待されている。
この研究は「ワクチン・新規モダリティ研究開発事業」にも採択され、国立感染症研究所との連携によって進展している。キリンはこの成果を基に、ますます世界の健康問題解決に寄与するための努力を続ける意向を示している。