サンスター、環境に優しい新しいブレーキディスクとパッドを発表
サンスターグループは、環境負荷を軽減することを目的とした新しい熱処理廃止の鉄製ブレーキディスクとローダストブレーキパッドを開発しました。この製品は、環境配慮型シリーズ「Naturide」として位置付けられ、2024年の12月頃から市場に登場する予定です。この取り組みは、オートバイや小型四輪、次世代モビリティを視野に入れており、環境に優しい製品を提供することを目指しています。
背景と目的
サンスターは1960年代から二輪車用部品の製造を行い、世界的なシェアを誇っています。今回の新製品は、製造時にCO2の排出を約50%削減することを実現。熱処理工程を廃止することで、製造時の環境負荷を大幅に軽減しています。
この製品は、カーボンニュートラルを目指す企業や団体が増える中で、金属加工業界の課題に応える形で開発されました。特に製造プロセスにおけるエネルギー消費や二酸化炭素排出の問題に対応するため、環境対応キャパシティを高めています。
開発の経緯
開発過程では、スズキ株式会社が進める「チームスズキCNチャレンジ」との連携が行われており、環境性能と制動性能の両立を図っています。この協力により、2024年の鈴鹿8耐に参加するチームは、この新製品を装着し、見事3位と8位を獲得しました。耐久レースにおいてもその性能が証明され、業界からも高い評価を得ることとなりました。
新製品の特長
“Natural”と“Ride”の言葉を組み合わせた「Naturide」シリーズとして販売予定の新製品は、以下の特筆すべき特徴を持ちます。
環境対応レース専用ブレーキディスク
- - CO2排出量の削減: 熱処理工程を廃止し、製造時のCO2を約50%削減。
- - クラック耐久性の向上: 摺動部にディンプル小孔を採用、パッドクリーニング効果と耐久性を両立させています。
環境対応レース専用ブレーキパッド
- - 性能維持: 従来と同等のブレーキ性能を維持しながら、約15%の摩耗量削減を実現。
- - 低ダスト化: パッドの摩耗によるダストの発生を減少させることを目指しています。
今後の展開
サンスターは、環境性能と制動性能の両方を兼ね備えた製品の実用化を目指し、ディスクやパッドだけではなく、スプロケットやチェーンなどの開発も進めています。此外、オートバイに限らず、小型四輪や次世代モビリティ向けへの展開も考えており、広範な分野でカーボンニュートラル、サーキュラーエコノミーの実現に貢献していく方針です。これにより、将来的にはさらなる環境負荷の削減を実現することが期待されます。
サンスターグループの知名度
サンスターは、1932年に創業した企業で、オーラルケアや健康食品、化粧品など多岐にわたる製品を手掛けています。特に、自転車部品やオートバイ部品の製造においては、国内外で高い評価を得ており、ユーザーのニーズに応じた製品展開を行っています。今後も環境への配慮を強化し、長期的に持続可能な社会の実現に向けた取り組みを続けていく予定です。