旅行業界のロイヤルティを測る指標、NPS調査の結果
NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション社は、2024年度の総合型旅行会社を対象としたNPS(Net Promoter Score)ベンチマーク調査の結果を発表しました。この調査では、顧客の推奨度が高い企業をランキング形式で示し、旅行会社のロイヤルティの状況を把握することを目的としています。
ジャルパックが見事1位に
調査の結果、NPSが最も高かったのは
ジャルパック で、NPSは1.1ポイントでした。次いで、
JR東海ツアーズ が0.0ポイント、
クラブツーリズム が-6.5ポイントとなり、旅行業界のロイヤルティの差は24.1ポイントに及びます。対象の総合型旅行会社9社の平均NPSは-8.9ポイントとなり、顧客満足度の改善が求められる状況です。
ジャルパックは、顧客からの評価が高い「企業イメージ」や「サービスの信頼性」に関連する項目で特に良い評価を受けました。JR東海ツアーズは「コストパフォーマンス」が評価され、クラブツーリズムは「自身のニーズに合った商品がある」という点で高い支持を得ていることが明らかになりました。
ロイヤルティを生む要因
旅行業界全体において、ロイヤルティを醸成する要因として「企業イメージやブランドイメージの良さ」、「サービスの信頼性・安心感」、「顧客に寄り添う姿勢」が挙げられました。また、担当者の「説明のわかりやすさ」や「ニーズに合ったプラン提案」、「期待を超える提案力」が重要な要素であることがわかりました。
一方で、顧客がロイヤルティを感じるために改善が必要な項目として「期待や想像を超える商品」が挙げられ、特に「旅の質の高さ」や「コストパフォーマンスの良さ」が求められています。旅行会社は、これらの改善を進めることで顧客満足度を向上させる必要があります。
オーバーツーリズム対策の重要性
近年、某観光地への観光客集中が問題視されている中、
オーバーツーリズム の影響を受けた旅行計画の変更についても調査が行われました。約36.4%の利用者が旅行の変更を経験しており、旅行先や時期を変更する傾向があります。これに応じて、旅行会社にはオーバーツーリズム対策を盛り込んだプランや情報提供が求められています。
旅行会社の対策に対する評価は厳しく、実際に「とてもそう感じる」と回答した人はわずか3.7%であり、今後の情報発信やサービス向上が期待されています。また、顧客からは、旅の衛生面やオフシーズンの情報提供が必要との声も上がっています。
利用者の高揚感の向上
旅行会社を利用した際の高揚感についても調査が行われ、約56.2%の利用者が高揚感が増したと感じています。特に、担当者の対応力が高揚感を生む要素として強く関連していることが示されました。満足度が高い利用者は、担当者による提案や説明の良さを特に評価しています。
推奨度が高いほど継続利用も向上
旅行会社に対する推奨度が高いほど、今後の継続利用意向も確実に高まることが確認されました。推奨者の推奨度平均は9.6ポイントであり、これは業界内での利用の持続性を示す重要なデータとなります。
今回のNPS調査は、総合型旅行会社の顧客満足度がどのように変化しているのかを明らかにし、とりわけジャルパックの強さを浮き彫りにしています。今後、旅行業界全体でロイヤルティ向上に向けた取り組みがどのように進展していくのか、注目が集まりますです。