ポーラ・オルビスがECサイトのバージョンアップに成功
ポーラ・オルビスホールディングスの中核ブランド、オルビスが運営するECサイトが、最新のデータベース(DB)管理システムであるAmazon Auroraへのバージョンアップに成功しました。これを支えたのは、株式会社インサイトテクノロジーが提供する「Insight SQL Testing」という画期的なソフトウェアです。これにより、短期間のうちに無事故での移行を果たしました。
背景と課題
オルビスのECサイトでは、顧客体験を最大限に生かすために独自の通販戦略を展開しています。その要となるのが、約6割を占める通販事業であり、膨大なデータ(約18億レコード)を扱う必要があります。2024年10月には現在のDBバージョン2の標準サポートが終了し、新たに互換性のあるバージョン3への移行が求められています。
過去には、クチコミサイトのデータベースのバージョンアップで意図しない性能劣化が発生し、ユーザー体験に影響を与えました。この苦い経験から、オルビスでは同様の問題を避けるために、十分なテストと効率的な移行を行わなければなりませんでした。しかし、手動でのSQLテストは非現実的であり、何らかの「ウルトラC的」な対策が必要だったのです。
Insight SQL Testingの導入
そんな中、導入された「Insight SQL Testing」は、データベースのバージョンアップに必要なSQLアプリケーションのアセスメントを自動で行います。本番環境で実行されたSQLを収集し、テスト環境で評価することにより、これまで手間がかかっていたテスト工程を大幅に効率化しました。
この導入によって、ポーラ・オルビスは以下のようなメリットを享受できました:
- - 人力での単体テストに要する3ヶ月以上の工数を大幅に短縮し、限られた期間でのバージョンアップが実現。
- - 網羅的なテストにより、事前にSQLの実行エラーや性能劣化を発見・対処でき、移行後の安定したシステム稼働を確保。
- - 生成AIが提供する修正提案機能により、エラーが出たSQLを容易に修正でき、再テストもスムーズに。
- - 非効率なSQL実行を見つけ出し、キャッシュ設定を調整することでパフォーマンスを向上させることが可能に。
ポーラ・オルビスのコメント
ポーラ・オルビスの代表からは、「データベースの標準サポート終了までの時間が迫る中、以前のバージョンアップでの経験を踏まえ、確実に移行を成功させるためにはInsight SQL Testingの導入が欠かせませんでした。このおかげで、無事故での移行を果たせたことに感謝しています」とのコメントがありました。
今後はDB移行だけでなく、アプリケーションのリニューアルにもこのソリューションを活用していく考えを示しています。
Insight SQL Testingについて
「Insight SQL Testing」は、データベース移行に際して必要なSQLの自動テストを実施可能なソフトウェアで、幅広いマルチデータベースに対応しています。一般的なオンプレミスからクラウド環境まで、さまざまなシーンで活用できるため、企業の運用の効率化にも大きく寄与します。
詳細な商品情報や導入については、インサイトテクノロジーの公式サイトやAWS Marketplaceでの確認が可能です。今後の進展にも注目です!