コクヨ芝山工場での技術革新
株式会社エクサとコクヨ株式会社が手を組み、芝山工場における製造プロセスが変革を迎えました。エクサの「SPBOM Suite」が導入されたことで、これまでの部材展開にかかる時間が驚異的に短縮され、最大で従来の1/10にまで減少したのです。今回の技術革新により、持続的な成長が期待されています。
背景と課題
コクヨ芝山工場では、1998年にフルスクラッチで開発された独自の「部材展開システム」が長年運用されてきましたが、時の流れとともに、開発に携わったメンバーが退職しシステムは“ブラックボックス”状態に。担当者の引き継ぎがなされず、現場でのニーズに応えることが難しくなるという問題が生じていました。また、顧客のニーズの多様化によって、製造する品種も3種類から20種類に増え、さらに部品点数も数十万に達するなど、メンテナンスが不可能な状況が続いていました。
新しいソリューションの選択
こうした厳しい課題に対処するため、コクヨはエクサの「SPBOM Suite」を選びました。このソフトウェアは、ベテランの設計者が持つノウハウを「ナレッジ」として形式化できるため、今までの属人化を解消。個別受注生産を行う特殊な環境でも、業務の標準化と効率化を実現できる点が大きな魅力だったのです。これにより、設計上の複雑性に対応しながら、迅速な部品表の生成が可能になりました。
導入効果とその成果
「SPBOM Suite」の導入以降、システムのメンテナンス性が向上し、新製品や仕様変更に対する柔軟な対応が可能に。プログラムの改修なしで、ナレッジを登録するだけで素早く対応できる仕組みが整いました。実際に、稼働開始から2ヶ月で、案件によっては、部材展開の時間が従来の1/10に短縮されるという成果を上げています。
特に、コクヨ芝山工場の田村シニアアソシエイトは、昔のブラックボックス化したシステムの問題を解決したかったと語ります。「今後は工場全体のブラックボックス化を解消し、後に続く人たちに楽に仕事をしてもらえるようにしたい」とその意気込みを示しました。
将来への展望
コクヨ芝山工場の田村氏は、今回の成功を基に、別製品や他工場への展開を視野に入れており、工場全体のシステム刷新を目指しています。エクサは今後も、コクヨの持続可能なものづくりを支え、製造業のデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進していく方針です。彼らの取り組みは、多様化する顧客ニーズに応えるための強力な基盤となるでしょう。
結語
「SPBOM Suite」は、単に業務を効率化するだけでなく、製造現場の根本的な改善をもたらします。ユーザーが安心して運用できるシステムへと導くことに貢献しているこのソリューションは、業界における競争力の強化を図ります。エクサの支援によって、コクヨ芝山工場は次世代のものづくりを見据えて進化を続けていくことでしょう。詳細は公式サイトで確認できます。
SPBOM Suiteの詳細