新生児の命を守るために、タンザニアで新たな医療支援
公益社団法人日本キリスト教海外医療協力会(JOCS)は、新たにタンザニアで新生児を対象とした医療支援プロジェクト「カリブムトトプロジェクト」を開始しました。これは現地のキリスト教団体と連携して行うもので、将来的には日本人医師もこのプロジェクトに参加する予定です。
「カリブ」はスワヒリ語で「ようこそ」を、「ムトト」は「子」を意味します。この言葉からも、プロジェクトの目的が新生児の健康を迎え入れることにあることが窺えます。
プロジェクトの背景
2018年から2025年まで続いた「ママ・ナ・ムトトプロジェクト」は、母と子の健康を守るための活動で、特に分娩期のケアと新生児の蘇生に力を入れてきました。このプロジェクトの効果が出て、特に新生児死亡率は大きく減少しました。
具体的には、プロジェクト開始時の死産と新生児死亡率は197/1000でしたが、2023年には42/1000にまで改善されました。ただし、全国平均と比較するとまだ高い水準にあり、更なる改善が求められています。
そこで、新たに新生児に焦点を当てた「カリブムトトプロジェクト」を立ち上げることになりました。これは新生児死亡率の低下を目指し、特化した医療支援を展開するものです。
未来の活動内容
JOCSは、この「カリブムトトプロジェクト」を4年間にわたり実施していく計画です。活動の進捗状況はJOCSの公式ウェブサイトで随時報告される予定です。
2025年の秋からは、日本の医師による現場での支援が始まります。これにより、現地の医療従事者と共に新生児のケアを実践し、保健医療の質をさらに向上させていくことを目指します。
JOCSの取り組み
JOCSは1960年に設立され、日本で最も古い民間の国際協力団体の一つです。全ての人々が健康であることを願い、医師や看護師の派遣、現地の医療従事者の育成、地域のNGOと連携したプロジェクトの実施を行っています。現在、バングラデシュに1名の看護師を派遣し、さらに7カ国の89名の医療従事者を奨学金制度を通じて育成しています。
タンザニアでの「カリブムトトプロジェクト」は、未来の新生児たちの命を守るため、重要な活動となるでしょう。私たちの手で、少しでも多くの命を救いたいものです。