経済産業省のキャリア教育アワードでの受賞
宮崎県都農町の都農中学校が実施した総合学習プログラム「つの未来学」が、経済産業省主催の「第14回キャリア教育アワード」において優秀賞を受賞しました。このプログラムは、過疎化が進む地域でのまちづくりと起業教育を融合させたもので、地元の学生たちが地域資源を活用して実際のビジネスを体験する内容となっています。
キャリア教育アワードの意義
「キャリア教育アワード」は、経済産業省が2010年から開始した取り組みで、企業や経済団体の教育支援活動の優れた例を広く共有し、これらの活動を促進することを目的としています。今回の受賞は、地域に根差した実践的な教育プログラムが評価された結果です。
プログラム「つの未来学」の概要
「つの未来学」は、町内唯一の中学校である都農中学校の生徒を対象にした総合学習プログラムです。各学年ごとに異なるテーマに基づいて実施され、次のようなステップで進められます。
1年生:自分の夢を語る
生徒たちは「未来の夢とシゴトというテーマ」で自分のウェルビーイングを言語化します。このプロセスは、彼ら自身の将来について考える大切な第一歩です。
2年生:地域課題に向き合う
2年生では、1年生で得た知識を活かして「町が元気になるプロジェクト」を企画します。地域の課題を題材に、フィールドワークを通じて町長や教育長に提案を行います。
3年生:実践的なビジネス運営
3年生では、2年生が提案したプロジェクトを具体的に実行します。商店街の空き地を利用した「みちくさ市」を開催し、イベントの運営を担当する部門にそれぞれ配属されます。売上も228,070円、利益116,243円を上げ、結果報告会では地域の方々に収支を報告します。動画でもその成果を見ることができます。
プログラムの評価
審査員は「つの未来学」を以下の点で評価しました。
- - 地域資源を活用した実践的な取り組みであること。
- - ビジネスのリアルを体験し、参加者が社会人基礎力を養える内容である点。
- - 学年を通じた継続的な学びの機会が提供されていること。
- - 地元の協力を得て行われている点。
このように、中学生たちが自らの手で地域の課題に取り組む様子は、参加者にとって貴重な経験となり、地域愛を育む機会を提供しています。
今後の展望
株式会社イツノマの中川社長は、このプログラムを通じて「若者流出が深刻な過疎地域において、将来Uターンしたくなる学生を育成すること」を目指しています。「つの未来学」が今後も多くのUターン起業家を生むキッカケとなることが期待されています。
これからも、このような地域に根ざした教育プログラムが広がり、地方の活性化に寄与することを願っています。教育とまちづくりが手を取り合って進む未来を、私たちも共に見守っていきたいと思います。