2024年自動車保険契約者満足度調査の結果が発表
J.D. パワー ジャパンが実施した「2024年自動車保険契約者満足度調査」では、業界全体の顧客満足度が前年と比較して横ばいであることが判明しました。調査では、代理店系およびダイレクト系の保険会社両方の満足度を測定したところ、代理店系が645ポイント、ダイレクト系が675ポイントという結果でした。どちらの部門においても満足度を構成するファクターに大きな変化は見られず、特に顧客の継続意向や推奨意向も安定していることが確認されました。
ブランドイメージの重要性と代理店系の課題
新たにブランドイメージに関する設問が追加された今回の調査では、顧客が持つ保険会社への印象がダイレクト系の方が良いことが明らかとなりました。特に「革新的」や「評判が良い」といったテーマで、代理店系よりもダイレクト系のスコアが高いことが分かりました。これにより、代理店系は顧客への信頼感を再構築する必要に迫られています。
保険料の理解が満足度に与える影響
近年、自動車保険料が高騰している中、保険料の変化に対する顧客の理解度が、満足度に大きく影響を及ぼすことも今回の調査で示されています。保険料が「高くなった」と感じる契約者が増加している中、理解している人々はそうでない人々に比べて、約40ポイントも満足度が高いという結果が出ているのです。これは、保険会社が顧客に対して保険料に関する説明をしっかりと行う必要があることを示唆しています。
結果に対する業界関係者の意見
J.D. パワーの執行役員、梅澤希一氏は、この調査結果には驚かされたとコメントしました。保険金不正請求問題や保険料の高騰が続く中で顧客満足度が横ばいである理由として、事故対応の経験がない大多数の顧客には問題の影響が見えにくかったのではないかと分析しています。また、総じて各社は顧客の信頼を得るために、営業慣行を見直し、透明性を持った運営を行うことが求められていると強調しました。
2024年の契約者満足度トップは?
調査結果のランキングによると、代理店系の部門ではAIG損保が659ポイントで3年連続の1位です。ダイレクト系ではソニー損保が697ポイントで8年連続1位を獲得しました。とりわけ、契約内容や顧客対応に関して高い評価を受けているこれらの会社は、消費者にとっての選択肢となるでしょう。
調査の概要
この調査は年に一度、自動車保険契約者を対象に行われており、今回で13回目の実施です。GPSおよびオンライン調査を通じて、3,961人からの回答を基に満足度を算出しました。調査は代理店系およびダイレクト系に分けられ、それぞれの顧客満足度を測定しており、今後の業界の動向を注視していく必要があります。
J.D. パワーは情報収集と分析を通じて、顧客と企業との信頼を深めるためのインサイトを提供しています。自動車保険業界の健全化と顧客満足度向上に寄与するため、今後もこのような調査の重要性が増していくでしょう。