軽度認知障害の新たな研究が始まります
慶應義塾大学病院では、軽度認知障害や初期のアルツハイマー型認知症の診断を受けている方を対象にした臨床研究が行われています。この研究の主な目的は、経頭蓋磁気刺激法(TMS)と高精度の脳波計測装置(EEG)を組み合わせた新しい技術を用いて、軽度認知障害の病態を詳しく理解することです。
背景と目的
アルツハイマー型認知症の有効な治療法は未だ見つかっていないため、早期発見や予防が極めて重要です。特に、軽度な記憶力の低下が見られるものの日常生活は比較的自立している状態を捉える「健忘型軽度認知障害」という概念が振興されてきました。そのため、この領域の研究体制の強化が求められています。
本研究では、軽度認知障害の方や初期のアルツハイマー型認知症の方を対象に、TMS-EEG同時計測法を使い、その診断精度向上を目指します。これにより、脳功能の評価が進み、さらなる治療法の開発につなげたいと考えています。
参加の意義
本研究に参加することで、大学病院でしか受けられない高度な検査を体験できます。また、参加者には検査結果の概要が書面で提供され、今後の医療の発展に寄与することになります。さらに、すべての検査に協力いただいた方には研究謝礼として10,000円が支給されます。
参加対象者
研究に参加できるのは、以下の条件を満たす方です。
- - 医療機関で軽度認知障害または初期のアルツハイマー型認知症と診断されている方。
- - 50歳以上の方で、忘れっぽさを自覚している、または家族に指摘された方。
- - 平日4-5日の検査に参加できる方。
研究の流れ
参加希望の方は、指定された登録フォームから申し込むことができます。研究の日程は調整可能で、全体でおよそ5日間の検査が予定されています。具体的な検査内容は以下の通りです。
1. 医療機関での診察
2. MRI検査
3. TMS-EEGに関する各種検査
この流れを通じて、参加者の脳機能に関する理解を深めることを目指します。
お問い合わせ
研究の詳細や参加申し込みについては、以下の連絡先にご連絡ください。
この研究は、慶應義塾大学のメモリークリニックで行われており、特に軽度認知障害及びアルツハイマー型認知症の診断・治療の難しさを日々感じている専門家が関与しています。
より良い医療が実現されるために、ぜひご協力をお願いします。