株式会社ジェイックが行った2025年度新入社員に対する就職活動に関する調査では、277名の受講者を対象にアンケートを実施しました。結果、約66.4%の新入社員が「就職活動をやり直したいと考えたことがない」と回答しており、全体の約3分の2が入社先への満足感を持っていることが示されました。この割合は前年比で5.4ポイント増加しており、新入社員の職場への満足度が向上していることが伺えます。
対して、約33.6%の新入社員は「1、2回はある」あるいは「3回以上ある」と回答しており、就業後に抱く不安や疑問がゼロではないことが明らかとなりました。これらの新入社員から寄せられた自由回答には、仕事内容や社風、待遇面に対する不安が多く見受けられます。
具体的には、業務内容のギャップや職場の人間関係に対する不満が影響し、他社の話に触れた瞬間に「もっと良い職場があったのでは」と思うケースが多く話されました。また、給与面においても同様の理由から再度就職活動を考える新入社員が存在します。
さらに、調査では「就職活動をやり直す場合、最も重視すること」を質問したところ、50.5%が「仕事内容」、続いて40.9%が「給与」と回答しました。中でも、‘社風や社員の雰囲気’を重視する声が前年比12.8ポイント増加しており、これまで以上に働きやすい環境を求める新入社員の姿勢が顕著になったと言えます。
また、教育体制や働き方の柔軟性についても重要視されるようになっています。調査結果においては、新入社員研修を受けた者の多くが、企業側には自身のニーズを把握し、リアルな職場の状況を正確に伝える努力が必要であると感じていることが分かります。
株式会社ジェイックのFuture Finder®メディア事業部長、佐藤裕康氏は、「入社後のギャップを減らすためには、企業が現場社員の声を通して実状を伝えることが必要です」と述べました。これは、企業文化や職場の雰囲気が新たな社員にとって非常に重要であるという点を強調する意義深い言葉です。
このように、新入社員導入における企業と学生のギャップを解消するためには、入社前に企業のリアルを見ていくことが一層大切になっていると考えられます。今後は、より多くの企業が新入社員の視点に立った採用活動を行なっていくことで、早期離職の問題を減少させる努力を続けることが求められるでしょう。特に、管理職層のコミュニケーション能力の向上や定期的なフォロー研修の実施が重要です。人事と管理職の協力により、新入社員が安心して働ける環境を整えることが、組織全体の成長にもつながります。