NTTドコモが提供するdポイントクラブに導入された新しいAIソリューション
最近、NTTドコモが運営する「dポイントクラブ」に、livepass株式会社が開発した新しいFAQインターフェースである「livepass QA」が導入されました。これにより、会員は従来よりも効率的に質問を解決できるようになります。この新しいシステムは、TOPPANエッジ株式会社と共同で進められたもので、特に会員からの問い合わせの質を向上させることを目的としています。
導入の背景
NTTドコモの「dポイントクラブ」では、会員が問い合わせを行う際、従来のFAQ検索機能やチャットボット、そして有人対応など複数の方法が用意されていました。しかし、従来の検索ボックス型のFAQでは、求める情報にたどり着きづらいという問題がありました。また、シナリオ型のチャットボットも質問の意図を把握することが難しいケースが多く、結果として自己解決率が低いという課題を抱えていました。
このような状況を改善するために、livepassはユーザーの質問意図をより深く理解し、自然な対話体験を提供できる「livepass QA」を提案しました。このAI技術は、ユーザーからのあいまいな質問にも対応し、必要な情報を適切に提示することができます。
導入の狙いと特徴
今回の「livepass QA」の導入により、NTTドコモは無人チャットボットによる自己解決率を80%に引き上げることを目標としているとのことです。導入に際し、TOPPANエッジとの共同試験では、従来の方法では対応が難しかったあいまいな質問にも高い精度で正答を導き出せることが確認されました。特に、あいまいな質問に対する認識精度は95%以上に達しており、実際の運用において大きな効果を期待させます。
「livepass QA」は、大規模言語モデル(LLM)とRetrieval Augmented Generation(RAG)技術を駆使して、ユーザーの入力から意図を読み取り、最短で解決へ導く仕組みが特徴です。具体的には、次の三つの特長があります。
1.
課題推定技術による意図理解
AIがあいまいな質問から意図を推定し、必要に応じて追加質問を生成することで、ユーザーが求めている情報を特定します。
2.
ドキュメントからのFAQ生成
整ったFAQデータがなくても、業務マニュアルやキャンペーン情報を基にデータベースを構築可能です。
3.
ハルシネーションの排除
回答は既存の検証済み情報から提供されるため、誤情報のリスクを軽減しつつ運用コストを抑えることができます。
今後の展開
livepassは、このAIによるFAQ改善の実績をもとに、TOPPANエッジと協力し、様々な業界への展開を目指しています。金融、通信、小売、公共セクターなどでの導入が計画されており、企業はこの新しいモデルを通じて問い合わせ対応の効率化、顧客満足度の向上を図ることができるでしょう。
企業と消費者のコミュニケーションの質を向上させることを目指すlivepassは、今後もAI技術を駆使して、より良い顧客体験を提供していく予定です。
livepassとTOPPANエッジの企業情報
- 代表者: 中村旭宏
- 設立: 2013年12月
- 所在地: 東京都港区六本木1-4-5 アークヒルズサウスタワー16F
- ウェブサイト:
livepass公式サイト
- 代表者: 齊藤昌典
- 所在地: 東京都港区東新橋1-7-3
- ウェブサイト:
TOPPANエッジ公式サイト
この取り組みにより、ユーザーの利便性向上が期待され、より快適な情報取得が可能となるでしょう。