能登の未来を支える「官民連携復興センター」の取り組み
能登地域の復興を目的として2024年10月に設立された「能登官民連携復興センター(以下、センター)」が、今年で1周年を迎えます。このセンターは、地域の創造的な復興を進めるため、様々な支援活動を通じて地域団体や企業との連携を強化しています。特に、資金、人材、ノウハウといった面からの支援が注目されています。
センターは、設立当初の8名から徐々に拡大し、現在は16名体制で運営。藤沢烈センター長のもとに、地域団体を支援する「事業推進部門」、企業との連携を進める「広域連携部門」、そして庶務を管理する「管理運営部門」の3つの部門が活動しています。職員は公務員だけでなく、民間企業や国家機関からの専門家も参加し、多様性豊かなチームで復興に取り組んでいるのが特徴です。
資金支援の状況
具体的な取り組みの一つが「資金支援」です。ロックユニット「COMPLEX」からの寄附金を活用した「能登復興支援事業」では、地域の未来を見据えた先導的な取り組みを支援しています。特に、1次公募では253件の応募があり、その中から「アーバンスポーツを中心とした子どもたちの居場所作り」や「宝立七夕キリコ祭り復興プロジェクト」など、6件のプロジェクトが採択されました。また、クラウドファンディングの活用も奨励されており、最大100万円までの助成があたることで、地元の地域コミュニティの活性化が図られています。
人材支援の取り組み
次に、「人材支援」についてです。センターは、被災事業者の人手不足を解消するために、株式会社タイミーのスポットワークマッチングサービスを活用しています。この取り組みにより、新たに500以上の求人案件が出され、約50%がマッチング成功に至りました。
さらに、大手求人サイトを通じて、全国から地域を支える中核的な人材の確保にも力を入れています。採用活動の支援を行いながら、多くの人材を能登に呼び込み、復興のサポートをしています。
ノウハウ支援の広がり
センターは「ノウハウ支援」にも注力しています。特に、LINEヤフーとの連携によるプロボノ支援では、SNS運用のサポートを受ける企業が増加しており、専門的なノウハウを地域に還元する流れができつつあります。また、今月からは新たに6社が参加し、それぞれの企業が持つ専門知識を活かした支援が行える体制が整いました。
広域連携の活動
また、センターは広域的な連携による取り組みも強化しています。経済同友会とのコラボレーションで、地域内外のプレイヤーや自治体とともに支援プロジェクトの議論が進められています。これにより、関係人口や子ども・教育、アートなど多様なテーマに基づいた話し合いが行われ、実現に向けた取り組みが進展しています。
今後の展望
今後、センターの役割がますます重要になると考えられます。地域の復興を進めるためには、官民を問わず様々な機関と連携し、地域の実情に合わせた支援体制を構築することが求められています。具体的には、地域団体との関係性をより強化し、互いの理解を深めながら活動の幅を広げていくことが必要です。
センターの取り組みはまさに始まったばかり。今後ますます進化を続ける能登の復興の一助となることを期待せずにはいられません。地域の課題に対して柔軟に対応しながら、クリエイティブな復興を推進する存在として、石川県全体のサポートが続くことを切に願います。これからも「官民連携復興センター」に注目が集まることは間違いありません。