鳥取市明徳小学校での学習発表会の成果
2024年11月9日、鳥取市立明徳小学校体育館で開催された学習発表会では、一般社団法人『海と日本プロジェクトinとっとり』の協力のもと、5年生の児童たちが半年間の学びの成果を発表しました。このプロジェクトは次世代に美しい海を引き継ぐために、子どもたちに海の重要性を理解させることを目的としています。発表会には、地域の住民や保護者約150人が参加し、さまざまな表現方法で海の生態系の魅力と現状について語られました。学びの講師として、漁業協同組合の古田晋平さんや、環境大学の太田太郎准教授、砂の美術館の石飛健一さんが招かれました。
海と砂漠の繋がりを学ぶ
児童たちは、「砂が育む海の生態系」をテーマにした授業を通じて、砂と海が持つ深い関係性を理解するための体験を行いました。6月には夏泊漁港で水揚げの見学、岩戸漁港ではネットを用いて海の生物や植物の採取に挑戦しました。学習を進める中で、カレイやイカ、小さなエビなどの有用な海の生き物を観察し、砂地が海の生態系に与える影響を学びました。さらに、砂の美術館では海をテーマにした砂像制作に取り組み、児童たちは自己表現を通じて、自分の感じた海の美しさを砂に託しました。
教育が育んだ意識の変化
学習発表会では、児童たちが演じる劇を通じて、鳥取の豊かな海とその環境がどれほど貴重であるかを伝えました。登場人物であるハマチやハタハタ、トビウオたちが語る内容は、地域の漁業資源の豊かさを強調しつつ、環境問題の深刻さも喚起しました。特に、藻場の減少や海洋ごみの増加、地球温暖化といった課題に真剣に向き合う姿勢が印象的でした。児童たちは、「海を清掃するためにできること」と題して、ごみの分別やリサイクルの重要性を訴えました。
児童たちからのメッセージ
活動を通じて得た知識を元に、児童たちは街のごみを減らすこと、学校周囲の清掃活動を行うことを決意しました。また、自分たちの学びを地域に広めるための啓発ポスター作成や、イベントの開催なども計画しています。彼らは、海を守るため自分たちが果たすべき役割を理解し、未来に向けて力強くメッセージを伝えました。最終的には「この星に生まれて」という歌を全員で合唱し、地球や自然への愛を深い感動を伴って表現しました。
講師や保護者の反応
発表を受けて、講師を務めた古田晋平さんは、「海から遠く離れた地域に住む子どもたちが、ここまで海のことを真剣に考えているとは思わなかった」と驚きを隠せませんでした。児童たちの熱心な発表を見て、地域への教育的影響を感じたようです。今後も、このような取り組みを通じて子どもたちがわが国の海洋環境について考え続けることができるよう支援していきたいと願っています。
まとめ
一般社団法人『海と日本プロジェクトinとっとり』は、こうした地域活動を通じて、鳥取の海に関連する問題を多くの人々に伝えていく取り組みを続けています。子どもたちの未来がよいものであるよう、今後もこのような学びの場を設けていくことが大切です。