アメリカン・エキスプレスの調査が明らかにした創業期企業の現実
アメリカン・エキスプレス・インターナショナル(以下、アメックス)は、創業して3年以内の企業に従事する約515名を対象にした調査を実施しました。この調査は、創業期における企業が直面するさまざまな課題を明らかにし、さらにその背景にある日本国内の起業家精神の高まりを反映しています。
起業の背景には機運の高まり
この数年、日本国内では起業が盛んになっています。2024年の新設法人は前年からの増加を記録し、イノベーションの促進を目指す政府の支援策も効果を上げています。これにより、新たなビジネスに挑戦する起業家が増加中です。
今回の調査の結果を見ると、初めて起業した人々が特に多いのは20代から30代で、彼らは「自由な裁量で仕事を行いたい」といった気持ちから起業を決意していることが浮き彫りになりました。このような動機は、金銭的な利得よりも、自己実現や自由な業務環境を求める意欲が強いことを示しています。
人材確保が最も大きな課題
調査結果によれば、創業3年以内の回答者の30.9%が「人材の確保や育成」を企業運営の最大の課題として挙げています。創業期の企業は人的リソースが限られており、そのため効率化や生産性の向上が求められる環境にあると分かります。
また、経営層においても「新しい取引先や他の経営者とのつながりの構築」が約45.5%の回答者から挙げられるなど、ネットワークの構築も重要な課題です。資金面では、突然の支出に備えた準備やキャッシュフローの管理が求められており、ビジネス環境の厳しさが浮き彫りになりました。
ビジネス・カード利用の実態
興味深いのは、ビジネス・カードの利用状況です。創業1年未満の企業での利用率は8.9%ですが、2年目になると16.7%、3年目には17.9%に上昇します。これは、事業の拡大とともに、決済手段が変化する様子を示しています。特に、創業初期には現金や銀行振込が主流ですが、ビジネス・カードは業務の効率化を図るために導入されています。
ビジネス・カードを利用することで、支払い業務が簡素化され、経費管理も楽になり、従業員の満足度も向上するというメリットが挙げられました。特に、創業期には業務効率化が重要であり、このニーズに応えるようなサービスが求められています。
今後の展望とアメックスの取り組み
アメリカン・エキスプレスは、創業期の企業が直面する課題に対してさまざまなサポートを提供しています。例えば、ビジネス・カードの利用を通じて、経費管理やキャッシュフロー管理を効率化することが可能です。また、ビジネス同士のマッチングを行うためのプラットフォームを提供し、経営者同士の人脈形成を促進しています。
今後もアメリカン・エキスプレスは、ビジネス・カードを中心とした法人向けサービスを展開し、創業期の企業の成長を後押ししていくことでしょう。