Tokyoの新たな視点を探求する展覧会
Jinny Street Galleryで2023年8月16日から9月13日まで開催される「Alter Tokyo Studies」展は、建築家の
北川佳子と
前田敏治(M.D. Binji)による共同作品です。この展覧会では、森の中に埋もれるような都市、または地上とは異なる次元に存在する未来の東京がテーマにされています。
都市生活の欲望とその拡張
東京の都市生活は食事や娯楽、ショッピングといった欲望で溢れていますが、それらの欲望が時に屋外に溢れ出している様子を北川氏は鋭く指摘します。たとえば、日曜日の早朝、駅前には週末を楽しんだ若者たちが寝転んでいる姿や、オフィス街の喫煙スペースに集まる人々の姿がそれです。
「街は人々の欲望の表れであり、この都市の構造はその欲望を受け入れる器でありながら、時には溢れ出してしまう」と北川氏は表現します。そうした状況を作品を通じて視覚的に捉えることで、都市と建築の関係を再考する機会を提供しています。
東京という人体の設計図
北川氏の作品には、東京を人体に見立てた表現が多く見受けられます。そのインフラストラクチャーは都市の「血管」となり、生命を循環させています。また、寺院や神社は静寂をもたらす存在として描かれ、都市の喧噪の中での安らぎの場としての役割も果たしています。
このように、東京は生と死が共存する奇妙な空間でもあると北川は語ります。繁華街の喧噪とは裏腹に、静けさを保つ地点が存在するのです。これを通して、都市の多様性を強調しています。
未来の東京の幻影
展覧会では、400年後の東京を想像した作品も展示されます。資源が枯渇し、廃墟となった未来の街を想像する中で、北川氏は今の都市空間が亡霊のための内部空間として変化する様子を描いています。
「私たちが現在住んでいる場所が、かつての活気を失って新たな用途を見つける」と彼女は語り、未来の東京がどう変わるかを考えさせる作品が多くの示唆を与えます。通りすがりの亡霊たちの物語は、視覚的なアートとして具現化されることで、より深い感情を呼び起こします。
展覧会の詳細を知る
「Alter Tokyo Studies」展は、神宮前に位置する
Jinny Street Galleryで開催されています。この展覧会では、北川と前田が協同で構成した写真と模型の作品群が展示され、来場者に都市についての新たな理解を促します。
また、オープニング・ナイトが8月24日(土)に開催され、北川氏と前田氏が展示の内容について直接語る貴重な機会も設けられています。興味のある方は、ぜひ参加してみてはいかがでしょうか?
展示情報
- - タイトル: Alter Tokyo Studies
- - 開催期間: 2023年8月16日〜9月13日
- - 開催場所: Jinny Street Gallery (東京都渋谷区神宮前2-31-5)
公式情報