2025年1月10日、ウィーン少年合唱団OBの自伝「小さな歌」が発売されます。本書は、著者ゲオルク・シュピーゲルホーファーがウィーン少年合唱団での4年間にわたる思い出を振り返る内容となっており、525周年を迎える合唱団にとって特別な意味を持つ作品です。著者は、60年ぶりに思い出の詰まった赤いセーラーボックスを開け、当時の仲間との思い出や、団体としての活動を詳細に記録しています。
ウィーン少年合唱団はその名の通り、世界的に名高い合唱団であり、さまざまな地域での演奏旅行を経験しました。アジアやカナダ、さらにはアメリカへの演奏旅行では、多くの観客の前でのパフォーマンスが印象に残ります。特に1961年にシュテファン大聖堂で行われた合唱は、当時のジョン・F・ケネディ大統領の前でのもので、歴史の一部とも言える重要な瞬間です。これらの回顧録は、聴衆にとっても心に響くエピソードが溢れています。
本書では、演奏旅行の裏側や、合唱団生活のさまざまな出来事も描かれています。キャンセルされた日本公演や舞台でのストライキ、さらには仲間との絆を深めた経験が読者に伝わります。著者は、団員たちとの特別な関係や、長年にわたる寄宿生活における友情に焦点をあてており、これらの物語は普遍的な感動を呼び起こします。
また、ゲオルク・シュピーゲルホーファーは、50歳から75歳までの間に、退職後やコロナ隔離後の時間を利用して、指揮者のゲルハルト・ランク教授との約束を果たす様子が描かれています。このようなエピソードは、時間の経過とともに再燃する友情や思い出の大切さを教えてくれます。
日本語版の出版は、少年合唱団のファンである乃り子・斎藤・ペッツィーナによる翻訳で実現しました。368ページに及ぶ本書には、多数の貴重な写真が掲載され、QRコードを通して映像資料を補完する工夫も施されています。早期購入特典としてスコラポストカード3種とオーストラリア国立少年合唱団のプログラムポストカードも付いてくるため、ファンにはたまらない内容となっています。
販売は、日本少年合唱協会の公式ショップやAmazonで予約受付中です。なお、この書籍はウィーン少年合唱団のコンサート会場では購入できないため、インターネット専売となります。
本書『小さな歌、私がまだウィーン少年合唱団だった頃』は、ウィーン少年合唱団員の活動に興味を持つ人々にとって、一つの貴重な記録となり、世代を超えて楽しめる読み物です。言語を超えた感動と友情の物語を、ぜひ手に取って感じてみてください。