ケミカルリサイクル実証試験
2024-10-24 15:14:57

アクリル樹脂のケミカルリサイクルに向けたトレーサビリティ実証試験の成功

アクリル樹脂のケミカルリサイクルに向けたトレーサビリティシステムの実証試験



三菱ケミカル株式会社(MCC)は、サプライチェーンの透明性と信頼性を高めるため、ケミカルリサイクルに関するトレーサビリティシステムの実証試験を実施しました。これは、ブロックチェーン技術を活用した新たなシステムであり、特に廃プラスチックをリサイクル原料として扱う場合の管理に重点を置いています。今回の実証試験は株式会社chaintopeと共同で行われ、廃プラスチックの情報を改ざん不可能な形で適切に管理・共有できることが確認されました。

トレーサビリティのニーズ


近年、リサイクル原料の履歴や品質の確認の重要性が増しており、環境に配慮した製品作りへの要求が高まっています。これに伴い、トレーサビリティやデジタルプロダクトパスポート(DPP)のニーズも急増。MCCは、複数の企業にわたるサプライチェーンでの情報共有が透明性を持って行えることを確かめ、リサイクル品の品質向上に貢献したと評価されています。

SIPプログラムとの協力


本実証試験は、内閣府が主導する戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)第3期の課題に基づいて進められています。このプログラムは、サーキュラーエコノミーシステムの構築を目指すものであり、国立研究開発法人物質・材料研究機構(NIMS)も新たなデジタル解析基盤を構築するプロジェクトに参加。これにより、自動車部品等のプラスチック再生材の品質と供給を安定させるリサイクルシステムの確立を目指しています。

ブロックチェーン技術の導入


実証試験では、chaintopeが開発したブロックチェーン「Tapyrus」を利用し、情報を改ざん不可能な形で管理するシステムを構築しました。この技術により、ポストインダストリーやポストコンシューマーといった廃プラスチックの由来に応じたリサイクル原料情報が適切に共有されるようになります。MCCは、これがケミカルリサイクル事業の推進にとって重要な成果であるとしています。

今後の展望


MCCは、今後もケミカルリサイクルやトレーサビリティを通じて、社会課題の解決を図る意思を強調しています。同社は、リサイクルシステムの成功を他の分野にも拡大し、持続可能な社会の実現に向けて邁進していく考えです。このような新しい技術の導入は、企業間の信頼を高めるとともに、環境への配慮を絵に描いたように実現する一助となるでしょう。


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会社情報

会社名
三菱ケミカルグループ株式会社
住所
東京都千代田区丸の内1-1-1
電話番号

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