特別養護老人ホーム入居の待機期間と介護の実態を探る
特別養護老人ホーム(特養)は、生活を支える公的な介護施設であり、高齢者とその家族にとって重要な存在です。しかし、その入居には長い待機期間が存在し、家族はさまざまな困難に直面しています。最近、介護施設の口コミサイト「ケアスル 介護」を運営する株式会社Speeeによる調査が行われ、その結果が明らかになりました。本記事では、その調査から得られた情報をもとに、特養の待機期間中に家族が直面する現実を詳しく探ります。
調査の背景と目的
Speeeが実施した調査では、特養に入居経験のある本人およびそのご家族586名から、待機期間の実態、「申し込み施設数」、介護度の変化、居住環境や介護者の状況についてのデータを収集しました。数ヶ月から数年にわたる待機期間が実際にどのように本人や家族に影響を与えるのかを明らかにすることが目的です。
待機期間の現実
調査によると、特養入居までの待機期間は非常に長く、42.1%が「半年以上」、22.9%が「1年以上」という結果が示されています。これは、すぐには入居できない制度上の課題を浮き彫りにしており、家族にも長期間のストレスをもたらす要因となっています。
複数施設への申し込み
入居希望者の多くが複数の特養に申し込むのは、入居の難しさを物語っています。調査結果では、61.8%が2ヵ所以上に申し込んでいることが明らかになっており、特養入居を目指す上で、この行動がスタンダードになっていることが示されています。申請作業の負担や書類準備も大変ですが、いかなる手段を尽くしてでも入居を確保したいという思いがあることが伺えます。
介護度の変化
特養への入居資格は要介護3以上ですが、調査によると、申し込み時に要介護2以下のケースが約4割にも及びました。これは、認知症などの影響や家族の就労状況に応じて特例入居を利用している実態があることを示しています。待機期間中も状況が変わることがあるため、家族は様々なストレスを抱えながら、対応を余儀なくされています。
待機期間中の生活実態
待機期間中、66.0%の入居予定者が独居または在宅介護の状態であり、介護を続ける厳しい生活実態が浮かび上がります。在宅での生活を支えるため、76.3%の家庭が在宅介護を利用し、他に住まいを確保する手段も限られている中、待つしかない環境が続いています。
介護者の状況
入居が実現した時点で、介護者の約52.2%がフルタイムで働きながら介護を続けています。その中でも、22.0%が手伝う者がいない孤立した状態に置かれ、仕事と介護の両立に苦労していることが明らかになっています。また、特養の待機・入居を機に離職や転職を選択する家族も見受けられ、ビジネスケアラー(仕事と介護を両立する人々)が抱える問題が浮き彫りとなります。
まとめ
この調査結果から、特養に対する入居待機期間の長さと、それに伴う家族の生活や介護状況、就労状況が明らかになりました。社会的な制度や支援が待たれる中、当事者の実情を理解し、改善策を検討することが重要です。家族が抱える悩みやストレスを少しでも軽減するために、今後も周囲の理解と支援を深めていく必要があります。