三菱UFJ eスマート証券がNew Relic導入でシステム安定性向上

三菱UFJ eスマート証券、New Relic導入で変革を実現



三菱UFJ eスマート証券株式会社が、オブザーバビリティプラットフォーム「New Relic」を導入し、システムの障害検知能力を大幅に向上させた。この取り組みはデジタル証券業界における同社の地位を強化するとともに、顧客へのサービス向上につながることが期待されている。

導入の背景



三菱UFJ eスマート証券は、ネット証券市場において長年の実績を持つ企業で、最近ではKDDIグループとの共同出資により事業を展開している。2025年までに新規口座獲得のペースを維持しており、同年には179万以上の証券口座を確保すると見込まれている。新たな名称に変更し、さらなる成長を目指す中で、システムの安定運用が鍵となる。

同社の基幹システムである新スマホシステムは、多様な金融商品に対応した取引機能を提供しているが、最近の障害発生により、その監視体制の見直しが急務とされていた。特に、2023年の取引開始時刻に発生した障害は、ログ監視だけでは解決できず、システムの可視化が求められていた。

New Relicの導入とその効果



New Relicを選定する過程では、複数のツールが比較検討された。その結果、シンプルかつ明確な料金体系を持つNew Relicが選ばれた。特に、同社では本番環境だけでなく多数のステージング環境も観測する必要があり、従来のサーバー単位の課金ではコストが膨張する恐れがあった。New Relicはユーザー数やデータ転送量に基づいた料金体系を提供し、遂行する目的に合致していた。

2023年11月からのPoC(概念実証)を経て、2024年2月に本格的な導入が行われた。導入当初は新スマホシステムが観測対象であったが、その後は関連する投資情報ツールや法人向けAPIサービスに対しても観測を拡張している。

その結果、システム技術者はライブデータを直接確認できるようになり、従来のログ依存から脱却できた。この変革により、システムに問題が発生しても迅速な対応が可能となり、障害の早期発見やアラート機能を通じた予防策が進められる見込みだ。

今後の展望



三菱UFJ eスマート証券の池浦將登氏は、「全てのシステムにおける観測範囲を広げ、システム上のパフォーマンスボトルネックを特定できる環境を整える計画だ」と述べている。さらに、顧客向けサービスの安定運用を目指し、New Relicを通じた障害検知と対応力の向上を追求していく方針だ。

New Relicの小西真一朗社長は、「三菱UFJ eスマート証券が求める信頼性の高いネット証券事業のコアシステムの運用が、我々のソリューションによって支援できることを嬉しく思っている」とコメントしている。このコラボレーションがさらなる発展をもたらすことに期待が寄せられている。

まとめ



三菱UFJ eスマート証券が導入したNew Relicのオブザーバビリティプラットフォームは、システム安定性の向上だけでなく、企業のデジタル変革に向けた新たなステージを開くことになるだろう。この動きは、顧客の利益を最大化しつつ、企業競争力を高める重要な一歩といえる。

会社情報

会社名
New Relic株式会社
住所
東京都港区赤坂9-7-1 ミッドタウン・タワー18階
電話番号
03-4577-9065

トピックス(経済)

【記事の利用について】

タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。

【リンクついて】

リンクフリーです。