「遊びから学ぶ」新しい体験の幕開け
2023年7月25日、神奈川県横浜市にあるアミューズメントパーク「ASOBLE ゆめが丘ソラトス店」には、特別な遊具が導入されました。その名も「ねじれクライム」。この遊具は、株式会社ジャクエツと株式会社ワイドレジャー、そして慶應義塾大学SFCの鳴川肇研究室が共同で開発したもので、数学的な視点から進化したものです。
数式から生まれた遊具
「ねじれクライム」は、非常に難解な数式である「双曲面」を基にして形作られています。この双曲面は多くの直線で構成されており、子どもたちが遊具を登ったりくぐったりすることで、自然な形で数学の概念を理解する手助けをします。たとえば、ボールを高く投げた際、その軌道を視覚的に捉え、無意識のうちに「放物線」を計算する能力を育むことができます。
教育の新しい可能性
このプロジェクトは、鳴川准教授が提案した建築プロポーザル「Curved building」が基になっています。鳴川研究室は、工学的な問題を幾何学的に解決することを目的とした研究室であり、その教えを生かして設計された遊具は、遊びを通じて学びを得る新たなスタイルを提示しています。
ASOBLEの魅力
「ASOBLE」は、『遊びを通じて未来をつくる』を理念に掲げ、無料で楽しめる次世代型の遊具を設置した新しいアミューズメントパークです。例えば、遊びながら未来の課題解決について考えるようなコンテンツも用意されており、子どもたちが楽しむだけでなく、思考を広げる場にもなっています。それにより、小さな子どもたちが「遊びを学び」に変える体験ができるのです。
企業のビジョン
株式会社ジャクエツは1916年に設立され、「未来は、あそびの中に。」というスローガンのもと、幼児施設向けの教材や遊具の製造販売、さらには公共施設や商業施設での高品質な遊び環境のデザインを提供しています。また、株式会社ワイドレジャーは1970年に創業し、全国に「楽市街道」や「アドアーズ」といったアミューズメント施設を展開中。両社の連携により、新しい遊びの概念が具現化されました。
未来の育成
鳴川研究室では、デザインと工学を融合した人材を育成することに力を入れています。これにより、エンジニアリングの知識を持つデザイナーまたはデザインセンスのあるエンジニアを育て上げることで、将来の社会に役立つ人材を輩出したいと考えています。
「ねじれクライム」は、遊ぶことが教育となる新しい遊具として、ぜひ訪れて体験してほしいものです。数学や幾何学の難解な概念を、遊びという形式を通じて触れることができる素晴らしいチャンスです。遊ぶことで自然に学びを得られる「ねじれクライム」を、子どもたちと一緒に楽しんでみてはいかがでしょうか?