STマイクロエレクトロニクスの新IO-Link開発キット
STマイクロエレクトロニクス(以下、ST)は、ファクトリーオートメーションの分野において、新しいIO-Link開発キット「P-NUCLEO-IOD5A1」を発表した。このキットの登場は、アクチュエータやセンサの構築を簡単にし、効率的なデバイスノード開発を目指すものだ。
IO-Linkとは?
IO-Linkは、ファクトリーオートメーションにおける重要なプロトコルであり、センサやアクチュエータとの双方向通信を可能にする技術である。このプロトコルは、基本的なデータの入出力だけでなく、機器設定や診断レポートといった高度なコミュニケーションを実現する。 そのため、製造現場では多くのアプリケーションで採用されており、効率的な生産ラインの構築に寄与している。
P-NUCLEO-IOD5A1の特長
P-NUCLEO-IOD5A1には、必要なハードウェアとソフトウェアがすべて一体化されており、アクチュエータ・ボードにはインテリジェントパワースイッチが組み込まれている。このキットを使用することで、ユーザーはすぐにIO-Linkデバイスの設定及び評価を開始でき、開発のスピードを飛躍的に向上させることができる。
キットは、STM32 Nucleoマイクロコントローラメインボード、トランシーバボード、アクチュエータボードの3つの部分から構成されている。トランシーバボード(X-NUCLEO-IOD02A1)には、ST製のデュアルチャネルIO-Link物理層IC「L6364Q」が搭載されており、周囲の危険要因から保護する機能も兼ね備えている。一方、アクチュエータボード(X-NUCLEO-DO40A1)は、業務用4チャネルハイサイド電源スイッチ「IPS4140HQ」を搭載しており、500mAの負荷を安定して駆動できる。
開発が容易に
メインボードである「NUCLEO-G071RB」は、STM32G071RBマイコンと外部ハードウェアを含む。これにより、トランシーバー及び電源スイッチを効果的に制御することが可能になっている。さらに、コンパニオンソフトウェアファンクションパック(FP-IND-IODOUT1)に含まれるIO-Linkデモスタックライブラリ(X-CUBE-IOD02)を活用し、様々なサンプルコードを通じて開発の汎用性を高めることができる。
このP-NUCLEO-IOD5A1キットは、STの販売代理店または公式eStoreから入手でき、その価格は約130ドルとなっている。
環境への配慮
STマイクロエレクトロニクスは、半導体業界での持続可能性にも力を入れており、2027年末までに全てのエネルギー使用を再生可能エネルギーに移行する計画を発表している。また、カーボンニュートラルの達成に向けた努力も進めており、その取り組みは今後のテクノロジーの進化とともに注目されるだろう。
詳しい情報は、STのウェブサイトにアクセスして確認することができる。開発者及び企業にとって、この新しい開発キットは非常に大きな助けとなるだろう。
なお、STマイクロエレクトロニクスについては、世界的な総合半導体メーカーとして約50,000名の従業員を抱え、サプライチェーンや最新の製造施設を活用している。約20万社に及ぶ顧客と何千社ものパートナーと連携しながら、持続可能なビジネスを創出するための半導体ソリューションを提供している。今後も、その技術の発展に期待が寄せられる。
問い合わせ先:STマイクロエレクトロニクス株式会社
アナログ・MEMS・センサ製品グループ
〒108-6017 東京都港区港南2-15-1 品川インターシティA棟
TEL: 03-5783-8250