国土交通省が発表した中央回廊実証調査参加事業者の選定について

中央回廊実証調査への参加事業者選定の発表

国土交通省は、令和６年11月19日に、中央回廊に関する実証調査の実証輸送に参加する事業者を選定したことを発表しました。この取り組みは、国際物流の多元化と強靱化を目指し、アジアと欧州を結ぶ新たな輸送オプションの確保を目指しています。

実証輸送の目的

この実証輸送は、従来の日欧間の海上・航空輸送ルートにおけるリスクへの対応策として、ロシアやスエズ運河を通らない物流ルートを検証するものです。この中央回廊は、中国、中央アジア、コーカサス、欧州をトラック、鉄道、水運で結ぶ新しい物流ネットワークを形成し、より安定的なグローバルサプライチェーンの確保に寄与します。

公募の概要と選定結果

国土交通省では、パートナーを広く募るため、2026年8月1日から8月30日まで実証輸送の参加事業者を公募しました。その結果、7件の応募から5件が選定されました。今後は、日本からトルコ、イタリア、ドイツ、フランスへ向けた輸送が行われます。

- 選定された参加事業者:

- 日本からトルコ向け（2件）
- 日本からイタリア向け（1件）
- 日本からドイツ向け（1件）
- 日本からフランス向け（1件）

選ばれた事業者たちは、11月から来年の2月までの期間中に実証実験を実施し、輸送コスト、リードタイム、輸送品質、手続き、トレーサビリティなどの各要素を検証します。

今後の展望

この実証調査を通じて得られた結果は、報告会や報告書の形で公表される予定であり、今後の国際物流における新たな指針となることが期待されています。日本の物流業界は、これまでの慣習にとらわれず、新しいルートやオプションを模索することで、国際取引の失敗や遅延を未然に防ぐことができるでしょう。

国土交通省は、今後も国際物流の更なる多元化を進め、強靱なサプライチェーンの構築に取り組んでまいります。具体的には、各事業者の協力を得ながら、実証調査の結果を活用し、国際的な物流ルートの選択肢を増やしていく方針です。

応募者数が予想以上であることから、この中央回廊の取り組みには多くの注目が集まるでしょう。今後の進展に期待が高まります。