DNPが「ノウハウ継承支援サービス」を提供開始
大日本印刷株式会社(DNP)と株式会社DNPコアライズは、社員のノウハウを可視化し、共有・活用できる「DNPノウハウ継承支援サービス」を新たに提供することを発表しました。このサービスは、企業が抱える人材不足やノウハウの継承問題に対処することを目的としています。
サービスの目的と背景
近年、多くの企業において、人材の流動性が増す中で、ベテラン社員が持つノウハウの継承が求められています。経済産業省の「DXレポート」でも、デジタル技術を駆使した知識の共有が重要視されており、それを実現するための方法が求められています。DNPは、自社内で実践してきたノウハウを体系化し、継承支援サービスとして提供することにしました。
サービスの特長
DNPの実績に基づく設計
本サービスは、DNPが長年にわたって蓄積してきたノウハウを基に設計されています。熟練技術者へのインタビューやワークショップを通じて、効果的なノウハウの整理と伝承方法が検証され、具体的な仕組みが整備されました。これにより、社員が持つ知識が効果的に共有可能になります。
生成AIの活用
データ構造化技術を用いて、社内にある情報を整理し、生成AIが利用しやすい形式に変換します。この技術によって、情報の属人性を解消し、AIによる効率的なノウハウの共有が可能になります。チャットボットなどを使って必要な情報を迅速に取得でき、業務の効率化が図れます。
継続的サポートの提供
このサービスは、導入後も企業独自の文化やルールに配慮した設計となっており、円滑な運用を支援します。月次レポートを通じて利用状況を分析し、最適化を図ることで、持続的な改善が行える体制が整っています。
導入事例
早速、このサービスの一部を一般社団法人日本自動車工業会(自工会)および一般社団法人日本自動車部品工業会(部工会)に提供しました。自動車産業のサイバーセキュリティ対策の向上を目的としたガイドラインに関する多様な問い合わせに対応し、驚異の90%の回答精度を達成しました。これにより、業務の効率化や品質向上が期待されています。
今後の展開
DNPとDNPコアライズは、このノウハウ継承支援サービスを通じてさまざまな業界における知的資本の活用を促進し、2026年度までに100件の導入を目指します。実施されたサービスの効果をもとに、機能の拡張とともに、企業の持続可能な成長に寄与する仕組みの構築に努めていく方針です。
大日本印刷の取り組みは、社員の知識や経験を大切にしながら、企業の競争力を向上させるために重要な一歩となります。力強いノウハウの継承を実現するこのサービスは、今後のビジネスシーンにおいて大きな意味を持つでしょう。