タペストリー・インクが2026年度第1四半期の業績を発表
ニューヨークを拠点とするタペストリー・インクは、2025年9月27日に終了した2026年度第1四半期の業績を発表しました。この四半期における収益は前年同期比で13%増、恒常通貨ベースでは12%増の17億ドルを記録しました。
成長を牽引するコーチブランド
特に、コーチの売上が22%増(恒常通貨ベースでは21%増)となり、同社の成長を牽引しました。これにより、プロフォーマ収益も16%成長を達成しました。また、売上総利益率が向上し、販管費が効果的に管理された結果、営業利益率がGAAPベースで260ベーシスポイント、非GAAPベースでは200ベーシスポイント増加しました。
今四半期の希薄化後EPSはGAAPベースで前年同期比61%増の28ドル、非GAAPベースでは35%増の1.38ドルとなっています。これらの業績は、タペストリー・インクが進める「Amplify」成長戦略の成果ともいえるでしょう。
株主還元と今後の展望
タペストリー・インクは、強固なバランスシートと良好なフリーキャッシュフローに支えられ、2026年度に13億ドルを株主還元に充てることを見込んでいます。これには配当や自社株買いが含まれ、配当金は1株あたり40ドルの四半期現金配当が予定されています。
さらに、2026年度の収益予測を上方修正することも発表しました。これからの数年で、57億ドルから72億ドルの収益成長が期待されています。タペストリー・インクのCEO、ジョアン・クレヴォイセラ氏は「私たちの戦略に基づく成長が、持続可能であることを強調しています」とコメントしています。
新たな顧客開拓とエモーショナルなつながり
同社は年齢層を問わず新たな顧客を増やす取り組みを強化しており、特にZ世代に対する訴求が見事に実を結び、220万人を超える新規顧客を獲得しました。このうち約35%が前年を上回る成長を示しており、タペストリー・インクのブランドが若い世代に受け入れられていることがうかがえます。
ここ数年の間、タペストリー・インクは消費者とのエモーショナルなつながり構築や、ファッションの革新性を向上させるための取り組みを推進しています。これが、売上の増加にも寄与しています。特にコーチのハンドバッグは平均小売単価が上昇し、レザー製品全体の成長を促進しました。
北米、ヨーロッパ、アジア太平洋地域での売上も予想以上に伸び、特にAPAC地域では8%増、コーチは21%の成長を果たしています。このように、地理的持続的成長も見込まれていることがわかります。
最後に
タペストリー・インクは、今後の成長をよりいっそう加速させるべく、4つの柱に焦点をあてた戦略を進めています。バランスの取れた業績に加え、従業員の力を最大限に引き出すことが、持続可能な成長を実現するカギとなるでしょう。今後の発表や新たな展開に目が離せません。