老舗竹材メーカー竹虎、未来を見据えた基調講演
2025年11月21日(金)、山口県宇部市に位置するときわ湖水ホールで開催された「第66回全国竹の大会」にて、老舗竹材メーカーである竹虎の四代目・山岸義浩氏が基調講演を行いました。本イベントは全日本竹産業連合会が主催し、「TAKE(竹)×NEXT 未来を編む竹の力」というテーマのもと、竹の可能性に関する議論が展開されました。
竹虎は明治27年に創業し、竹材や竹製品の製造・卸業を行ってきた企業です。える愛顧をいただいていることは、今回の講演でも強調されました。山岸氏は講演の中で、竹の持つ無限の可能性や、未来のために克服すべき課題について語りました。特に注目すべきは、竹の驚異的な成長力で、わずか3ヶ月で親竹と同じ高さに達することができます。この特性により、竹は持続可能で環境に優しい天然資源としての期待が高まっています。
近年、世界中で脱炭素社会の実現が求められ、竹の環境への配慮から注目が集まっています。また、竹は日本の生活文化にも深く根付いており、「もったいない」の精神が感じられる素材です。例えば、壊れた竹製品は修理して使い続け、最終的には和紙や漆を使った新しい形に生まれ変わることができます。このような日本独自の再利用文化は、現代におけるサステナビリティの原点として重要視されています。
講演では、竹虎の本社がある高知県須崎市安和の「虎竹の里」に生息する虎斑竹の現状についても触れました。この竹の特長である独特な虎模様は、過去とは異なり現在では見られる割合が減少しています。これには温暖化の影響が大きく、地元に伝わる「霜が降りると色が付く」という言葉がその変化を物語っています。このような気候変動は竹の生育に直接的な影響を及ぼしており、竹林保全の必要性が再確認される結果となりました。
さらに、120年に一度と言われる虎竹の開花が始まり、その未来についても明るい展望を考える必要があると山岸氏は強調しました。「虎竹のある暮らし」を大切にする企業として、当社はこれらの課題に取り組みながら、竹文化の継承と持続可能な竹産業の発展に向けて努力を惜しまない姿勢を示しています。
今回の基調講演を通して、多くの参加者が竹の未来について考えるきっかけとなりました。竹の新しい利用法や文化の進化に期待がかかります。これからも環境に優しい竹の可能性を広げていくために、次世代へのバトンをしっかりと渡すべく、竹虎は引き続きその活動を推進していくでしょう。
参考リンク
企業情報
- - 会社名: 竹虎(株)山岸竹材店
- - 所在地: 高知県須崎市安和913-1(本社・本店)
- - 代表取締役: 山岸 義浩
- - 創業: 1894年(明治27年)
- - 資本金: 1000万円
- - 事業内容: 特産虎斑竹(とらふたけ)をはじめとする各種竹細工、竹製品、竹炭、竹酢液などの製造・卸・販売
- - URL: 竹虎公式サイト
竹虎は、多くの受賞歴を有しており、地域産業の振興にも貢献しています。