QPS研究所、JAXAと小型衛星によるオンボードPPP技術実証で共同研究契約を締結!災害時画像提供の迅速化へ
株式会社QPS研究所(福岡市中央区)は、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)が進める「小型技術刷新衛星研究開発プログラム」において、共同研究契約を締結したことを発表しました。
今回の共同研究では、QPS研究所が開発・運用する小型SAR衛星「QPS-SAR10号機」にJAXAが提供する機器類を搭載し、オンボードPPP技術の軌道上実証を行います。オンボードPPPとは、衛星軌道位置情報を高精度に得る技術であり、本研究では、この技術を活用した新たなサービス構想の実証を目指します。
具体的には、QPS-SAR10号機に搭載された高性能な計算機と高精度単独測位技術(PPP)を組み合わせ、軌道上でリアルタイムにセンチメートル級の衛星軌道位置推定を行います。従来の地上で開発して宇宙で実証するサイクルよりも圧倒的に早いアルゴリズムの最適化を目指し、オンボードPPP技術の確立に貢献します。
QPS研究所は、軌道上実証のフィールドとしてQPS-SARを提供することで、JAXA刷新プログラムにおけるオンボードPPP技術の確立に貢献し、QPS-SARプロジェクトにおいても災害時の画像提供の迅速化などに繋げていくなど、新たな社会的価値の創出に貢献していくとしています。
QPS研究所について
QPS研究所は、2005年に福岡で創業された、世界トップレベルの小型SAR衛星の開発・運用を行う企業です。同社は、収納性が高く、軽量でありながら大型の展開式アンテナを開発し、従来のSAR衛星の1/20の質量、1/100のコストとなる高精細小型SAR衛星「QPS-SAR」の開発に成功しました。現在、商用機3機を運用しており、2027年度には24機、そして最終的には36機の衛星コンステレーションで平均10分毎という準リアルタイム観測データ提供サービスを目指しています。
小型SAR衛星「QPS-SAR」とは
SAR(合成開口レーダー)は、電波を使用して地表の画像を得るレーダーです。雲や噴煙を透過し、昼夜を問わず観測することができる点が特長です。小型SAR衛星は、従来の大型SAR衛星に比べて、開発・運用コストが低く、機動性が高いことから、近年注目を集めています。QPS-SARは、その中でも世界トップレベルの性能を誇る小型SAR衛星として知られています。
今回の共同研究の意義
今回の共同研究は、JAXAとQPS研究所がそれぞれの強みを活かし、新たな宇宙利用サービスの実現に向けた重要な取り組みです。オンボードPPP技術は、衛星測位の高精度化に大きく貢献する技術であり、災害時の被害状況把握やインフラ管理など、様々な分野で活用が期待されています。本研究を通じて、QPS研究所は、災害対応能力の強化や社会インフラの維持管理など、社会貢献活動に更なる貢献をしていくことが期待されます。