慶應義塾図書館貴重書展示会「活字文化の真髄」
第27回慶應義塾図書館貴重書展示会が「活字文化の真髄」をテーマに開催されます。この展示会では、17世紀に短期間で姿を消した和漢書の「古活字版」や、グーテンベルクの印刷技術の発展に伴い作られた西洋初期印刷本が中心に展示されます。
展示内容の詳細
展示内容は、活字印刷の進化を物語る貴重な書籍や資料が取り揃えられています。特に印象的なのは、江戸時代の版木や朝鮮李朝期の木活字、再現されたグーテンベルクの印刷機など、活字印刷の歴史を感じさせる品々です。現在の印刷技術ではなかなか目にすることのない「活字」の美しさを、ぜひこの機会に体験していただきたいと思います。
かつての書物は、インクをのせた活字を圧力で印刷する技術を用いて作られ、その結果生まれる文字は独特の凸凹感を持っていました。そして、特に「古活字版」と「初期印刷本」の美しさや完成度は非常に高く、活字印刷術の真髄を感じさせるものです。和漢書と洋書が共演する姿は、見る者に深い感銘を与えることでしょう。
講演会の開催
展示会に合わせて、以下のような講演会も行われます。
- 慶應義塾大学文学部准教授 安形麻理
「活版印刷術の黎明-グーテンベルクとその周辺」
- 法政大学文学部教授 小秋元段
「鎌倉幕府の歴史書『吾妻鑑』の刊行と徳川家康・秀忠」
- 早稲田大学教育・総合科学学術院教授 雪嶋宏一
「ヴェネツィアからパリへ—活字で見るルネサンス文化の広がり」
- 慶應義塾大学附属研究所斯道文庫教授 高橋智
「活字印刷の重宝—古活字版漢籍について」
このように、各界の専門家による興味深い講演から、活字の歴史やその重要性についての理解を深めることができます。入場は無料で、事前の申込は不要ですので、気軽に参加してください。
ギャリートークに参加しよう
また、展示会期間中にはギャラリートークも開催されます。展示品の解説を通して、その稀少性や歴史的価値についての知識を深められる貴重な機会となるでしょう。以下のスケジュールで実施されます。
- 慶應義塾大学附属研究所斯道文庫教授 高橋智(和漢書)
- 慶應義塾大学文学部准教授 徳永聡子(洋書)
主要出展作品を探求しよう
今回の展示会では、江戸時代の「大学1巻」(宋朱熹章句慶長時代刊)や、元和2年に刊行された「群書治要」などが出展されます。また、グーテンベルクの「42行聖書」やエウセビオスの「教会史」など、貴族や宗教界で名声を得た作品も多く展示されます。これらの書籍は、活字印刷がもたらした文化的な影響を感じることができる素晴らしい資料です。
まとめ
慶應義塾図書館の貴重書展示会は、活字文化の魅力を存分に体感できる場となっています。美しい活字や歴史的な書籍に触れることで、私たちが普段目にする印刷物の背後にある深い歴史を感じることができるでしょう。是非足を運んで、この貴重な機会を楽しんでください!