ポケットマルシェ、調味料と酒類の出品可能範囲を拡大
全国の農家や漁師と消費者を直接つなぐ産直アプリ「ポケットマルシェ」を展開する株式会社雨風太陽(花巻市)は、2024年9月25日より新たに調味料や酒類の販売可能範囲を拡張しました。この取り組みにより、国内の様々な生産者とのつながりが深まり、顔の見える流通の拡大を目指します。
変更される販売対象
新たに出品可能となった商品は以下の通りです。
- - 調味料:醤油、味噌、みりん、酢、乳製品など
- - 酒類:日本酒、ワイン、ビール、焼酎、ウイスキーなど
ただし、出品は生産者自身が発酵・醸造を行った商品に限られます。
背景とニーズの高まり
ポケットマルシェは、2016年のリリース以来、8,300名の生産者と77万人のユーザーを擁するプラットフォームとして成長してきました。しかしこれまでは、主に一次産品と自社生産の加工品のみが対象でした。一方で、調味料や酒類の生産者からは出品に関する規定の厳しさが声が寄せられていました。
ポケットマルシェのユーザーを対象にした調査では、調味料や酒類の取扱商品が増えることで8割以上が購入を検討するとの結果が得られ、消費者のニーズが高まっていることがわかりました。
日本の食文化を守る取り組み
日本の醤油や味噌、酒といった発酵・醸造食品は、その地域に根付く文化の一部です。しかし、近年では生産量が減少しています。令和5年度の生産量が直近5年で最も少なく、国内出荷量も減少傾向にあります。このままでは製造業者が廃業に追い込まれる恐れもあり、企業としてこの状況を打破するための行動が求められていました。
今回の販売範囲拡大により、従来の規定を改め、様々な生産者が参加できるようになります。新たに100名の生産者参加を2024年中に目指し、消費者と直接会話をしながら魅力を発信できる環境を整えていきます。これにより、一次産品とそれに伴う調味料や酒類の購入体験をさらに高め、新たな楽しみ方を提供していく方針です。
新規生産者の期待と意気込み
新たにポケットマルシェでの販売を始める生産者たちも積極的な姿勢を見せています。特に、谷口味噌店の谷口康夫さんは地域との関係を大切にしつつ、全国の方々とのコミュニケーションを広げたいと語ります。また、浅利佐助商店の浅利晋一郎さんは長らくの味を多くの人に知ってもらいたいと意気込みを示し、宮居醤油店の宮居虎志郎さんも、購入者のフィードバックを通じて成長していく姿勢を強調しています。
このようにポケットマルシェの新たな取り組みは、日本の伝統的な食文化を守るだけでなく、生産者と消費者のつながりをより深めることを目的としています。今後の展開にも期待が寄せられています。
まとめ
ポケットマルシェの調味料と酒類の出品範囲が拡大されることで、生産者との新たなつながりが生まれ、地域の食文化が再評価されることが期待されます。これを機に、日本の豊かな食の魅力がさらに広がることでしょう。