知財経営の新常識
リーガルテック株式会社は、東京都港区に本社を置き、知的財産権を経営資産として活用するための画期的な取り組みを開始しました。その名も『戦略知財AIプロジェクト』。このプロジェクトは、特許や商標などの知財を、「守るための権利」から「稼ぐための経営資産」へと転換することを目指したものです。
知財の資産化を推進する背景
日本企業における知的財産の多くは、出願や登録の目的にとどまり、その活用が十分に行われていない現状があります。特許の数は増えているものの、その背後にある経済的価値が見えづらく、M&Aや資金調達の場において十分に評価されていないという問題が浮かび上がっています。さらに、経営・開発・知財部門がしばしば分断され、知財情報が経営判断に活かされないという構造的な課題も指摘されました。
これらの課題を解決するため、リーガルテック社は知財を「企業価値の根幹」として再定義し、AIの力を借りてその潜在力を経営の意思決定に結びつける新しいモデルの構築を始めました。
戦略知財AIモデルの具体的内容
『戦略知財AIモデル』は、企業内に蓄積された特許・商標・著作権などの知的財産データをAIが評価・分析し、それを経営層や投資担当者、M&Aチームが戦略的に活用できるようにする仕組みです。具体的な要素は以下の通りです。
- - IP資産評価: AIが登録特許や出願中の案件を分析し、市場価値や独占性、技術優位性などをスコアリングします。
- - 経営指標連動: 財務データと連携により、「知財ROI」や「IP収益性」といった重要なパフォーマンス指標を可視化します。
- - IPライセンス戦略: 他社とのクロスライセンスや実施権ライセンス候補を自動で抽出します。
- - M&A・DD支援: 買収や出資の対象となる企業の知財ポートフォリオを分析し、リスクや価値、技術的優位性を診断します。
このモデルにより、知財が単なる「資産」ではなく、経営情報として機能し、経営者たちがその情報をもとに戦略的な意思決定を行うことが期待されます。
実績と効果
このプロジェクトは既に複数の企業で実証されています。特に、技術領域別の知財ポートフォリオ分析や、M&A時の知財リスク評価においては、その有効性が確認されました。上場準備中の企業でも「非財務資産としての知財価値」が可視化され、投資家への説明資料に活用されるなど、知財部門の役割が変化しつつある状況が見受けられます。
今後の展望
リーガルテック社は今後、さらなる取り組みを予定しています。具体的には、知財スコアをESG報告や統合報告などの非財務KPIに連携する機能の拡充、特許情報と売上・市場シェアの因果関係を分析する「IP BI」機能の開発、ベンチャー企業向けの「IP Pitch Pack」の提供、また、学術機関や研究機関との共同研究による「知財資本モデル」の社会実装などが挙げられます。
リーガルテック社は、AIを駆使した知財マネジメントの高度化を通じて、日本企業の「知的資本経営」の推進を支援し、国際的な競争力を高めることに貢献することを目指しています。特許調査や実績のあるAIプラットフォーム『MyTokkyo.Ai』など、多様なサービスを展開している同社に今後も注目が集まります。