量子情報科学推進
2024-07-22 16:59:23

IBMとフェルミ国立加速器研究所が手を組み量子情報科学を推進

IBMとフェルミ国立加速器研究所の提携



2024年、IBMはフェルミ国立加速器研究所のSuperconducting Quantum Materials and Systems Center(SQMSセンター)と提携し、量子情報科学の革新を目指すことが決まりました。この協力は米国エネルギー省の科学・科学プログラム局の承認を受けており、米国内外で重要な研究センターと認知されています。SQMSは、超伝導量子システムに特化し、次世代の量子技術の発展へ力を注いでいます。

IBMは超伝導量子コンピューティングの分野で先駆者的な役割を果たしており、この協業によって両者の強みを融合させ、量子コンピューティングや通信、超伝導量子プラットフォームの実用化に関する重要な課題を解決することを目指します。

技術者たちの声


SQMSセンターのディレクターであるアンナ・グラッセリーノ氏は、IBMの参加を歓迎し、両者の技術的強みを活かし、フォールト・トレラントな量子コンピューターの実現に向けた進展に期待を寄せています。SQMSセンターには、30を超えるパートナーが集まり、世界中で500人以上の専門家が連携して研究を進めています。

IBMは、今回の協業で以下の5つの分野に注力するとしています。これらは、量子コンピューターのさらなる発展に向けた重要なステップです。1つ目は、大規模極低温技術、2つ目は超伝導量子ビットのノイズ対策、3つ目は量子インターコネクトの開発、4つ目は量子コンピューティング・アプリケーション、5つ目は量子人材の育成です。

フェルミ研究所の役割


フェルミ国立加速器研究所のディレクター、リア・メルミンガ氏は、この協業が超伝導技術の発展に最適な場であると語ります。数十年にわたる経験を礎に、大規模で複雑な超伝導低温システムを構築し、科学的な使命を果たすための先進設備を整えてきたとしています。量子情報科学の発展は国家的な優先事項であり、フェルミ国立加速器研究所はその進展において重要な役割を担うと強調しています。

主な開発分野


1. 大規模極低温技術: SQMSとIBMは、量子コンピューターをデータセンターに拡張するための技術を共同開発します。これには、3D超伝導高周波技術を基にした量子コンピュータープラットフォーム「Colossus」が含まれています。
2. 高品質・高密度量子インターコネクトの設計: これにより、商用量子システムの一部としての量子リンクの可能性を探ります。
3. 量子ビットのノイズ低減技術: 超伝導量子ビットの性能向上を目指して、これまでのメカニズムを科学的に解析します。
4. 量子コンピューティングの実用的応用: 物理学の分野で、シミュレーションなどの研究を進めます。
5. 量子人材開発プログラム: SQMSは、次世代の多様な量子人材を育成するためのプログラムを強化し、IBMの教育プログラムと連携します。

今後の展望


IBMのジェイ・ガンベッタ氏は、量子コンピューターの構築には多岐にわたる課題があり、これを解決するための協力関係が鍵になると述べています。協業の具体的な活動開始は、IBMとフェルミ国立加速器研究所間の最終的な法的合意後となります。この提携により、量子情報科学の新たな地平を開くことが期待されています。

イリノイ州シカゴ近郊に位置するフェルミ国立加速器研究所は、素粒子物理学の研究に携わる米国の主要な国立研究所であり、革新的技術の開発を進めています。SQMSセンターの取り組みは、国立量子情報科学研究センターの一環として、今後の研究にどのような影響を及ぼすかが注目されています。


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会社情報

会社名
日本アイ・ビー・エム株式会社
住所
東京都港区虎ノ門二丁目6番1号 虎ノ門ヒルズ ステーションタワー
電話番号
03-6667-1111

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