ispace初の月フライバイ成功
2025年2月15日、株式会社ispace(東京)は、民間企業として初めてとなる月フライバイを成功させたことを発表しました。この成果は、同社のRESILIENCEランダーによって達成され、商業用月着陸船として歴史的な瞬間となりました。
月フライバイの詳細
RESILIENCEランダーは、月の表面からおよそ8,400kmの地点を通過し、ミッション2のマイルストーンSuccess 5をクリアしました。このフライバイは、低エネルギー遷移軌道を利用して深宇宙航行を実現するための重要な一歩であり、精密な軌道計画と運用が求められました。ispaceはこれまでのミッション1で得た経験を踏まえ、見事にこの挑戦を成功に導きました。
今後のミッション計画
RESILIENCEランダーは、今後も計画通りに低エネルギー遷移軌道を利用して深宇宙を航行し、5月初旬には月の重力圏に到達予定です。月周回軌道への投入も控えており、さらなる重要なステップを踏み出す見込みです。
ミッション2は2025年1月15日にSpaceXのFalcon9によって打ち上げられ、同日ランダーは予定通りに宇宙空間に投入されました。その後は地球から250,000kmの地点での軌道制御を含め、慎重な運用が続けられています。
ispace代表取締役のコメント
代表取締役の袴田武史氏は、「今回の月フライバイ成功を迎え、RESILIENCEランダーの成果を誇りに思います。スタッフの準備と努力がこの成功をもたらした」とコメントしています。深宇宙に向かうこの旅路を今後も見守っていきたいと語りました。
ミッション2のペイロードの多様性
このミッションでは、6つのペイロードも搭載されています。高砂熱学工業の月面用水電解装置や、ユーグレナの食料生産実験用モジュール、台湾の深宇宙放射線プローブなど、多岐にわたる研究と実験が行われます。このように、ispaceは国際的な協力と多様な文化を取り入れたミッションを展開しています。
未来の宇宙開発に向けて
今後もispaceは、ミッション3やミッション4の実施を計画しています。これにより、NASAが推進するアルテミス計画にも貢献することを目指しています。宇宙開発の需要が高まる中、ispaceの果敢な挑戦が注目されています。
企業概要
株式会社ispaceは、月面での資源開発を進める宇宙スタートアップ企業です。2010年の設立以来、日本、アメリカ、ルクセンブルクの三拠点で活動し、約300名が在籍しています。月面へのアクセスを拡大することで、持続可能な未来の構築を目指しています。これからもispaceの動向から目が離せません!