生成AIに関する特許権侵害訴訟を提起、知財保護の重要性が再認識される
パテント・インテグレーション株式会社(以下「当社」)は、2024年11月27日に、Patentfield株式会社に対して生成AIに関連する特許権の侵害を理由に訴訟を東京地方裁判所に提起しました。本訴訟は、当社による侵害訴訟の4件目となります。これまでの訴訟と同様、当社は被告が自社の生成AI関連の特許権を侵害していると主張し、新たに別の特許権に基づいて侵害行為の差止及び損害賠償を求めています。
当社はこれまでに多くの特許を権利化する過程で、生成AIの利活用において直面するさまざまな課題に対処するための独自の発明を行ってきました。今回の訴訟も、特許権の保護を通じてその技術的価値を守るための重要な一歩であり、当社が保有する特許の主要な内容や技術をさらに詳細に見ていきたいと思います。
保有する特許の概要
当社が保有する特許には、以下のような技術が含まれています。
1. 特許7579555号: 特許文書への分類付与と分類根拠の出力を行う技術であり、生成AIを駆使して特許文書と製品仕様との関連度を判定します。専門的な拒絶対応などの業務にも役立ちます。
2. 特許7578348号: 特許文書の特定部分を指定し、生成AIによって処理を行う技術で、製品の対比や図面を用いての効率的な分類を実現します。
3. 特許7542812号: プロンプトの作成負担を軽減する技術で、ユーザーの指示文と業務タスクに合った指示を組み合わせて利用者の業務効率を向上させます。
4. 特許7539094号: 用語や単語の解説を行い、高品質な要約を作成する技術で、特許文書の理解を深めるために広く活用されます。
5. 特許7493195号: 学習モデルを使用して教師データを生成する技術で、特許文書に基づくさまざまな業務タスクに応用可能です。
これらの特許は、生成AIの実践的な活用を促進するための基盤となる技術であり、当社が多大な努力とリソースを投入して開発してきた独自の成果です。これらの技術を通じて、当社は特許業務の効率化と知財管理の強化を図っています。
知財の保護と訴訟の意義
今後の特許侵害訴訟では、特許法に基づき、侵害品の使用が業務上で行われた場合にも、利用者に損害賠償などの民事上及び刑事上の責任が生じる可能性があります。当社は、生成AIの利活用において今後もさらなる特許の権利化を行う予定であり、業界内でその価値が適切に認識されることを期待しています。
新たな法律顧問の就任
また、当社はこのたび、河部康弘弁護士が顧問弁護士として就任したことも発表しました。河部氏は知的財産権に関する専門家であり、当社の権利保護活動や訴訟における重要なアドバイザーとして貢献いただくことになります。
当社は、生成AIを用いた知財実務の革新を進め、自社開発の特許文書の読解支援AIアシスタント「サマリア」を利用して多くの特許業務に貢献していきます。今後も知的財産を保護し、独創的なアイデアを生み出し続けるため、必要な措置を講じて参ります。
会社情報
- 会社名
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パテント・インテグレーション株式会社
- 住所
- 東京都千代田区九段南1−5−6りそな九段ビル5階
- 電話番号
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050-3690-4220