リンパ浮腫を可視化する革新的なスマートめがね
リンパ浮腫は、リンパ液が体内にたまりやすくなる疾患で、特に女性に多く見られます。この疾患は時に生活の質に影響を及ぼし、ファッションや外出を楽しむことが難しくなる原因となっています。そんな中、新たに登場したのが、ポーラ・オルビスグループの株式会社encyclo(エンサイクロ)によって開発されたスマートめがねです。このスマートめがねは、リンパ浮腫の症状を可視化することで、これまでの「できない」を「できる」に変えることを目指しています。
「見えない」を「見える」にする技術
このスマートめがねは、国内外で100万人以上のリンパ浮腫患者から集めたデータを基に、最新のテクノロジーを駆使して開発されました。これにより、患者自身がリンパ液の状態を簡単に把握できるようになります。
リンパ液がどれだけ体にたまっているのか、肩や脚の状態を視覚的に理解できるため、効果的なケアを行うための指針にもなります。多くの場合、患者は自分の状態が見えず、どのようなケアを行ったら良いのか悩むことが多かったのですが、これによりその悩みを解消します。
自由なファッションを再発見
リンパ浮腫の治療においては、医療用の弾性ストッキングやスリーブを常に着用することが求められますが、見た目が不自然であることから、好みのファッションを楽しむことができないという問題がありました。このスマートめがねは、「見えない」であった部分を「見える」にするため、患者たちが自由にファッションを楽しむことを可能にします。
例えば、素足にサンダルを履いたり、ノースリーブを着たりといったファッションを選択できるようになります。これにより、「できない」とあきらめていたことにチャレンジできるようになるのです。
体験者からのメッセージ
encycloの代表、水田悠子は、29歳のときに子宮頸がんに冒され、その治療の過程でリンパ浮腫を経験しました。彼女もまた、自分の経験から「見える化」の重要性を感じ、その思いを形にするプロジェクトに取り組んできました。
「このスマートめがねで、リンパ浮腫の症状を可視化できることで、患者は自分の身体の状態を理解し、自信を持って外出したり、楽しい時間を過ごすことができるようになると信じています」と語ります。
未来の可能性
この技術を多くのリンパ浮腫患者が利用することで、さらなるデータが蓄積され、AIによる分析が進化します。この成果は、より多くの患者において「できる」が広がることに繋がります。さらに、エンサイクロは「アンメット ビューティー ニーズ」を解決する製品を開発するために、他の領域の専門家とも協力し、日々取り組んでいます。
今後も、リンパ浮腫と生きる方々の生活の質向上を目的としたプロジェクトが進行される予定です。多くの方々がこのスマートめがねを通じて、自分らしいファッションや趣味を楽しめる日を期待しています。
【会社概要】
- - 会社名: 株式会社encyclo
- - 設立: 2020年5月7日
- - 所在地: 東京都中央区銀座1-7-7
- - 資本金: 100万円
- - 事業内容: レッグウェア・インナーウェア等の開発・販売
- - 公式サイト: encyclo.co.jp
この革新的な技術が、一人でも多くのリンパ浮腫患者の手助けとなることを願っています。