北九州高専、宇宙アントレプレナーシップ教育プログラムを開始
北九州市は、宇宙産業の発展を目指し、特に小型衛星の運用数において世界トップクラスの実績を持つ九州工業大学や多くのものづくり企業が集まる地域です。この重要な地位を生かすべく、北九州工業高等専門学校は宇宙アントレプレナーシップ教育プログラムを実施します。これは学生が宇宙に関する起業家精神を学び、未来の産業人材として成長することを目的としています。
宇宙産業の未来に触れる
このプログラムは、宇宙の未知の世界で挑戦を続けている起業家や研究者を講師として迎え、学生たちにリアルな経験を提供します。具体的には、2025年12月16日(火)に北九州工業高等専門学校の図書館2階グループ学習室で行われます。参加者は知能ロボットシステムコースの4年生で、宇宙業界での活動を通じて学生が実践的な知識とスキルを身につける機会を得ることとなります。
プログラムの内容
教育プログラムは二部構成になっています。第一部では、宇宙業界で活躍する起業家および研究者との対話が行われます。講師として、株式会社QPS研究所の代表取締役社長である大西俊輔氏や、東京大学の五十里哲准教授が登場し、彼らの経験や成功事例を元にした講話を行い、質疑応答を通じて深い理解を促します。
第二部では、実際に人工衛星を開発する過程を模したワークショップが行われます。学生たちは「ミッション定義審査(MDR)」に挑戦し、各グループで人工衛星の打ち上げ目的を検討し、発表を行う予定です。ここでも九州工業大学の北村健太郎教授が講師として参加し、グループの発表に対してフィードバックを行います。
講師陣のご紹介
1.
大西俊輔(おおにししゅんすけ)氏
株式会社QPS研究所 代表取締役社長
九州大学で学び、数々の小型人工衛星開発プロジェクトに関与しました。彼のリーダーシップのもと、QSAT-EOSプロジェクトは2014年の衛星打ち上げに成功し、以降も宇宙産業に貢献しています。
2.
五十里哲(いかりさとし)氏
東京大学大学院工学系研究科 航空宇宙工学専攻 准教授
北九州市で育ち、高専ロボコンで全国優勝を果たすなど、早くからその才能を発揮。東京大学で博士課程を修了後、宇宙関連の研究を進めています。
3.
北村健太郎(きたむらけんたろう)氏
九州工業大学大学院工学研究院 宇宙システム工学研究系 教授
若手研究者たちを指導し、超小型衛星の開発に情熱を注いでいます。研究現場での豊富な経験が学生たちに深い学びを提供することでしょう。
協力して未来を築く
このプログラムを通じて、学生たちは単に知識を得るだけでなく、宇宙業界で活躍するために必要な挑戦する心を育むことが期待されます。北九州市が掲げる宇宙産業の振興を背景に、次世代を担う人材の育成に取り組むこのプロジェクト。未来の宇宙産業を支える若者たちがどのように成長していくのか、今後の展開に注目です。