タクシー業界の救世主となるか? 電脳交通の採用サービス「DS Driver」が実証実験を拡大
深刻化するタクシー業界のドライバー不足問題に対し、新たな解決策として注目を集めているのが、株式会社電脳交通が提供する採用サービス「DS Driver」です。2024年7月5日より、東京都、高知県、愛媛県の3県で実証実験が開始され、対象エリアは神奈川県、埼玉県、静岡県と合わせて1都5県に拡大しました。
「DS Driver」は、二種免許保有者と日本型ライドシェアに適応したドライバーを対象としたサービスで、需要ピーク時のスポット勤務に特化することで、タクシー事業者のニーズとドライバーのワークライフバランスを両立することを目指しています。
実証実験の背景:深刻化するドライバー不足と日本型ライドシェア解禁
コロナ禍からの回復に伴い、観光客増加によるオーバーツーリズムが叫ばれる中、タクシー業界では長年課題としてきたドライバー不足がさらに深刻化しています。一方、2024年4月には、二種免許を持たないドライバーが自家用車を使って有償で顧客を輸送できる「日本型ライドシェア」が解禁されました。
タクシー・ハイヤー業界の有効求人倍率は全産業平均の3.2倍と、ドライバーの採用が追いついていない状況です。電脳交通は、創業以来培ってきたタクシー事業者向け配車システムサービスの経験を活かし、この問題解決に積極的に取り組んでいます。
実証実験の内容:スポット勤務特化でドライバー不足解消へ
「DS Driver」は、需要が集中する特定の時間帯のみ勤務できるスポット勤務に特化した採用サービスです。タクシー事業者は、ピーク時の運転手不足を解消し、ドライバーは自分の都合に合わせて柔軟に働けるというメリットがあります。
今回の実証実験では、東京都、高知県、愛媛県のタクシー事業者と、二種免許保有者をマッチングし、サービスの有効性と課題を検証していきます。
電脳交通の地域公共交通への貢献
電脳交通は、地域公共交通の維持・存続を重要な使命として、タクシー事業者向け配車システムや配車委託サービスを提供してきました。さらに、MaaSや地域交通に関する実証実験にも積極的に取り組み、地域交通ソリューションの事業化を進めています。
地方では高齢化や人口一極集中により、公共交通機関の多くが赤字経営に陥り、営業撤退や縮小が相次いでいます。その結果、交通弱者の増加や交通空白地帯の拡大が深刻化しています。電脳交通は、こうした課題解決に向け、国連が定めたSDGsを尊重し、「すべての人がいつでも生活に必要な移動ができる社会」の実現を目指しています。
電脳交通の今後の展望
電脳交通は、今後も「DS Driver」などのサービスを通して、タクシー業界のドライバー不足問題解決に貢献していきます。また、地域公共交通の維持・存続に貢献できるよう、新たな技術やサービスの開発にも積極的に取り組んでいく予定です。