エイターリンク、ワイヤレス給電の未来に光を灯す
エイターリンク株式会社は、米・スタンフォード大学発の先進的なスタートアップとして、配線レスでのデジタル環境の実現を目指し、ワイヤレス給電技術の研究と開発を進めています。最近、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が実施する「ディープテック・スタートアップ支援基金/ディープテック・スタートアップ支援事業(DTSU)」に採択され、約9.6億円の助成を受けることが決定しました。
ワイヤレス給電技術を活用した事業展開
エイターリンクは、FA(Factory Automation)、ビルマネジメント、メディカルの三つの領域において、ワイヤレス給電技術を活用した事業を推進しています。特に注目されるのが「AirPlug™」という空間伝送型ワイヤレス給電ソリューションです。この技術は、最大17メートル以上の距離での給電を可能とし、移動体への給電も行えるため、様々なシーンでのデジタルつながりを強化することが期待されています。
DTSU採択事業の概要
今回採択された事業の名前は「空間伝送型ワイヤレス電力伝送システムの国内外での実証及び展開」で、エイターリンクは主に製造工程の改善やオフィスビルでの実証試験に基づいて技術課題に挑むとしています。これにより、送電距離の拡大やシステムの小型化を図り、将来的な量産に向けた道筋を整えることが狙いです。また、国内外での規制の策定にも積極的に関与し、ワイヤレス給電システムのスタンダード確立を目指しています。
環境に優しいデジタル社会を目指して
エイターリンクの研究開発が進むことで、特にビルマネジメントにおいても大きな成果が期待されています。配線工事なしに空間に複数のセンサーを配置することは、オフィスの環境情報をリアルタイムで収集・分析し、空調コストを約26%削減するといった経済効果をもたらします。これは、環境負荷の軽減にも寄与する重要なステップです。
NEDO DTSUの意義
NEDOが支援するDTSUプログラムは、技術の確立から社会実装までの長期的な研究開発を支援することを目的としています。エイターリンクが選ばれたことは、同社の技術的な可能性が高く評価された証であり、将来的には国内外から注目される存在となるでしょう。
エイターリンクの基盤
会社設立は2020年8月で、東京都墨田区に本社を持つエイターリンクは、代表取締役に岩佐凌氏と田邉勇二氏を据えています。これからの展開への期待が高まる中、エイターリンクはデジタル社会の実現に向けた新たな挑戦を続けます。
エイターリンク株式会社は、独自の技術によって新しいワイヤレス給電の世界を切り開こうとしています。今後の動向にも注目が集まります。