没後50年を迎える名監督・田坂具隆の特別展が開催!
日本映画界において不朽の名作を数多く手掛け、数々のスターたちに支持されてきた田坂具隆監督。その功績を称え、没後50年にあたる今年、国立映画アーカイブでは「没後50年 映画監督 田坂具隆」の特別展が開催される。この展覧会では、田坂の作品と彼が残した影響を深く掘り下げ、観客にその魅力を再発見させる試みがなされている。
田坂具隆に関する貴重な資料が集結
田坂は1926年に映画界へデビューし、『真実一路』や『路傍の石』などの文芸作品で名を馳せただけでなく、戦争映画にもその真髄を見出していった。今回の展覧会では、これまであまり表に出ることがなかった田坂に関する資料約170点が、一堂に会する。中でも、彼が映画制作現場で使用していた台本や、映画監督・小杉勇の旧蔵資料など、個人視点から見た田坂の姿を垣間見ることができる貴重な機会だ。
特集上映も行われる
展覧会と同時に、10月8日から20日、11月5日から24日には特集上映が予定されている。上映プログラムには田坂の全現存作品に加え、彼に関わった多くの映画作品が含まれており、合計40作品に及ぶ。この特集上映は、映画ファンにとっても見逃せない内容となっている。
新刊関連書籍にも注目
また、特別展と連動して新たに刊行される関連書籍『ぐりゅうさん 映画監督田坂具隆』には、田坂の発言や著作、関係者からの証言が集められている。展覧会を理解する上で、必見の書籍となるだろう。
展覧会の各章の概要
第一章: 小さきものへの眼差し
田坂は常に「小さきもの」を描いてきた。その視点は子どもたちから社会の周縁に生きる無告の人々まで及ぶ。本章では、彼の初期作品を見ながらその系譜をたどる。
第二章: 戦争と人間と
戦争映画の先駆者としての田坂。その生涯は戦争によって翻弄され、戦後も平和へ向き合い続けた。彼の個人的な戦争体験がどのように映像に表現されているかがテーマだ。
第三章: 小さきものへの眼差し (戦後の子どもたち)
戦後、彼はさらに「小さきもの」への眼差しを注ぎ続けた。特に子どもたちを主人公にした作品に焦点を当てる。
第四章: 文芸映画にみる戦後の再生
病床で影響を受けた作品を映画化し、残した名作の数々を振り返る。
第五章: ひと・暮らし
彼の周囲には多くの創造的な仲間や映画人が集まっていた。その交流や生活面から田坂の人となりに迫る。
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展覧会は2024年9月7日から11月24日まで国立映画アーカイブにて開催される。詳細な情報は公式ウェブサイトで確認できる。映画の魅力に触れる絶好の機会をお見逃しなく。