ファースト・イーグルが見出す日本株の新たな投資機会

ファースト・イーグルが見出す日本株の新たな投資機会



近年、日本株が再び注目されています。その背景には、ニューヨークに本社を置くファースト・イーグル・インベストメンツという独立系の投資運用会社の存在があります。この会社は、約128億ドルもの資産を運用し、特に日本市場に対して非常に前向きな見方を示しています。彼らが最近発表したレポートは、過去約30年間の日本への投資実績をもとにしています。

このレポートでは、日本経済が持続的な回復の兆しを見せている理由がいくつか挙げられています。過去数十年にわたる景気の停滞やデフレが続いてきた中で、日本株は2023年9月までの年初来リターンが日本円ベースで24%に達しました。この数字は、世界中の投資家の注目を集めることとなり、特に2023年上半期の海外からの純流入額も過去20年で最大の6兆円(約420億米ドル)に達しました。

ファースト・イーグルは、現在の日本株のバリュエーションについても魅力を感じています。日本株はかつての「失われた数十年」のような割安感はもはやないものの、近年の高パフォーマンスを見せる米国株と比較しても、依然として魅力的だと考えています。バリュー投資を専門とするグローバル・バリュー・チームは、持続可能な収益力を持ちながらも、その本源的な価値を下回って取引されている日本企業に引き続き目を向けています。

企業に向けた東証の指令や企業統治に関する改善も、投資の背景にあります。特に、コーポレートガバナンスが強化されることで企業のファンダメンタルズが継続的に強化される可能性が高まっています。グローバル・バリュー・チームのリサーチ・ディレクターであるマット・ランフィアー氏は、「日本株のバリュエーションは魅力的で、低金利の環境が株式のリスクプレミアムを高めている」と述べています。多くの日本企業が非中核事業の売却や収益性の高い上場子会社の買収を進めていることも、事業の見直しと再構築に寄与しています。

もちろん、ファースト・イーグルはリスクにも敏感です。財政政策や金融政策が中立から程遠く、金融政策の正常化が市場に影響を与える可能性があります。また、高齢化や人口減少といった長期的な課題も、持続的な成長に影響を及ぼす要因です。それでも、ファースト・イーグルは経営上の強みや永続的な収益力を持つ企業を見極めることで、長期的な投資機会を模索しているのです。

アル・バー氏、ポートフォリオ・マネージャー兼シニア・リサーチ・アナリストは、「強いビジネスや代替困難な資産を持つ企業のポートフォリオを構築することで、市場の変動に対するレジリエンスを最大限に高められる」と語ります。こうした地道な努力を重ねるファースト・イーグル・インベストメンツは、日本株に対する前向きな見通しを維持しているのです。

会社情報

会社名
First Eagle Investments
住所
New York, NY1345 Avenue of the Americas
電話番号

トピックス(経済)

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