核融合技術への出資
2025-06-02 14:06:19

ON&BOARD、革新的な核融合技術を持つLINEAイノベーションに出資

ON&BOARDの出資が示す持続可能エネルギーへのビジョン



2023年に設立されたベンチャーキャピタルファンド「ON&BOARD」が、先進の非熱的核融合技術を研究する「株式会社LINEAイノベーション」への出資を発表しました。東京都港区に本社を置くLINEAイノベーションは、軽水素とホウ素を利用し、中性子をほぼ排出しない核融合の実用化を目指しています。

この出資は、社会全体が急速にカーボンニュートラルを目指す中で、次世代エネルギーとして核融合を実現するための重要なステップとなります。従来の核融合研究は、三重水素の取り扱いや放射性廃棄物の発生が大きな課題でしたが、LINEAイノベーションはこれらの問題を克服するために非熱的アプローチを採用しています。

具体的には、同社の技術はp-11B(プロトンとホウ素)核融合の実現に向けて、高効率なプラズマ閉じ込め技術を利用します。これは、FRC(Field-Reversed Configuration)と呼ばれる手法を用い、ミラー磁場を活用して高エネルギーのビームイオンを閉じ込めることで、必要な温度を大幅に削減し、中性子をほぼ出さないクリーンな核融合反応を実現します。

このようにして生成されるエネルギーは、従来の核融合発電所よりもはるかに安全で持続可能です。放射性トリチウムを使用せず、炉壁の放射化を回避することにより、未来のエネルギー供給に対する新しいプラットフォームを築く可能性を秘めています。ON&BOARDは、この理念に深く共感し、LINEAイノベーションへの投資を決定しました。

以前から増え続ける電力需要や脱炭素の取り組みが訴えられる中で、ON&BOARDは、LINEAイノベーションの先進的な研究開発および実装への姿勢を高く評価しています。

ON&BOARDは、今後も社会的影響力の大きい技術開発を行うスタートアップ企業への投資を推進し、持続可能なエネルギーへのアクセスを広げることを目指します。加えて、これは単なる出資ではなく、次世代のエネルギー源としての核融合技術の普及を後押しするための重要な一歩であると言えるでしょう。

LINEAイノベーションの概要



LINEAイノベーションは、2023年9月29日に設立され、東京都港区の六本木ヒルズ森タワー内に本社を構えています。同社は、非熱的核融合技術を用いたFRCミラーハイブリッド炉の研究開発に専念しています。代表取締役の野尻悠太氏は、業界の第一線で活躍した経験を持ち、これからのエネルギー産業を根本から変える可能性を秘めた技術を提供しています。

また、ON&BOARDは、東京都港区虎ノ門に拠点を置くファンドであり、2024年6月に設立予定の投資事業有限責任組合を通じて、様々なベンチャー企業への資金提供を行っています。常に新しい技術に目を向け、将来を見据えた投資戦略を展開しています。

社会のニーズに応じた持続可能な技術の開発は急務であり、今後の展開に期待が高まります。


画像1

会社情報

会社名
ON&BOARD株式会社
住所
東京都港区虎ノ門虎ノ門ヒルズビジネスタワー15階
電話番号

トピックス(科学)

【記事の利用について】

タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。

【リンクついて】

リンクフリーです。