2025年の新築戸建て工事中インスペクション
2025年、株式会社さくら事務所が実施した新築戸建て工事中のホームインスペクションにおいて、業界全体の施工品質が向上している様子が見受けられました。このデータは、主要な5項目に基づいた不具合指摘率の規模別集計結果として報告されています。
調査の概要
調査は2026年3月に行われ、2024年と2025年の期間にさくら事務所が実施した新築工事中のインスペクションに基づくもので、625件が対象となっています。この調査における不具合指摘率は、全体的に低下しており、新築工事の施工品質が高まりつつあることを示唆しています。
特に「構造金物検査」では、大手から準大手においては前年比で20%を超える低下を記録し、中小企業でも10%以上の改善が見られました。地震大国日本においては、耐震性の確保は極めて重要であり、優れた施工品質への注力は大いに評価されるべき前進です。
不具合指摘率の詳報
一方で、耐震性に関する「外部面材耐力壁」の不具合指摘率は依然として高く、大手・中小企業で60%以上、準大手でも40%以上と報告されています。また、「基礎配筋」に関する指摘は大幅に減少したものの、準大手では微増といった状況です。このように、耐震に関わる施工品質は依然として課題を残していると言えます。
さらに「外壁防水」に関しても、全ての会社規模において指摘率が高止まりしています。外壁防水の不具合の多くは、透湿防水シートの穴や破れ、配管周りの隙間に集中しているため、これらの施工においても引き続き注意が必要です。
「壁断熱」に関する不具合指摘率も減少傾向にあり、特に準大手が最も優れた数字を記録しました。これは、準大手各社が断熱性能を向上させるべく積極的な取り組みをしていることが影響していると思われます。ただし、中小企業の指摘率は依然として高く、改善の余地が大きいことが確認されています。
全体傾向
全体の傾向としては、大手の指摘率が最も低く、その後に準大手、中小企業の順で不具合が見受けられました。これは、各社の規模による社内検査の違いや工法に起因していると考えられます。大手では現場作業を効率化し、工業化を進めることで施工品質を安定させる努力がなされています。
完成時インスペクションとその課題
さくら事務所が2025年に実施した1,370件の新築一戸建てホームインスペクション(完成時検査)では、不具合が指摘された割合が82.0%に達しました。これは2024年の76.4%から増加しており、完成時の施工における課題も浮き彫りになっています。2025年から施行された建築基準法の改正により、工程管理が難しくなり、結果として工事後工程での不具合が増加していることも推測されます。
さくら事務所について
株式会社さくら事務所は、東京都渋谷区に本社を置き、不動産コンサルタントの長嶋修が1999年に設立した企業です。「人と不動産のより幸せな関係を追求する」ことを理念に、第三者の立場から利害にとらわれない住宅診断を提供しています。業界初の個人向け総合不動産コンサルティング企業として、77,000組以上の実績を持っています。これからも、確かな施工品質を提供しやすい環境を整える努力が求められます。